カブでヨーロッパ一周編
ゴールの後は? [フランス] (2001/11/23-11/27) ・11/23 「おもちゃ」を探せ!
・11/24 パリを駆け巡る
・11/25 豪勢に乾杯!
・11/26 最後の荷造り
・11/27 また会う日まで・・・通貨単位:FF(フランスフラン)/1FF=約17円
11/23 晴れ|曇り 「おもちゃ」を探せ! Paris/HOTEL PRINTANIA MAILLOT/***km
というわけで、「スパーカブでヨーロッパ一周」の旅は、たくさんの人々に支えられてなんとか無事にゴールである「パリ」まで戻ってくることが出来た。後はカブを日本へ送り返すという仕事を残すだけなので、ここで「終了」としても差し支えないだろう。
「カブの旅終了」にあたり、パリでやっておかないといけないことが幾つかある。カブを日本へ送り返す準備は月曜日にReynaud邸へ行ってからだが、「追億編」に必要な装備は出来るだけ早く揃えておくに越したことは無い。
ではそろそろ「追億編」の行き先を発表しておこう(^_^;;
「追億編 第1部」は、今回の旅の中で一番の修羅場だったかも知れない国・・・「ノルウェー」。ヨーロッパ最北の地「ノールカップ」へ行った時の記憶はオレの中で今でも鮮明に残っている。夏は太陽が沈まない場所、言い換えれば冬は太陽が昇らない場所・・・今回はその冬を体験しに行こうというわけだ。ノールカップでお世話になったJohansen家のお父さん「Ingeさん」の弟「Sveinさん」の住んでいる「トロムソ」という北緯69.5度というバリバリの北極圏の町へ出撃する!Sveinさんとの再会が1番の目的だけど、もう1つの目的が「太陽に選ばれた場所」でしか見ることが出来ない大自然のショー「オーロラ」を見ることなのだ!
実を言うと、12月にノルウェーに行くことは、ノールカップで居候中に既に決まっていた。オレが「冬にオーロラを見たいなぁって思うてるんやけど、どこやったらよー見えるのん?」とSveinさんに聞いたところ、「まぁ、どこが最高かちゅうたら難しいけど、オレの住んでるトロムソは最高の場所のひとつらしいで。冬に来たら泊まらしたるから来いや!」って感じになっていたのだ。もちろんSveinさんは大阪弁の使い手ではない(笑)
オーロラが見えるような極北へ行くにはそれなりの準備がいるだろう。まず極北と言うからには雪が一面に広がる白銀(真っ暗だから白銀じゃないかも・・・)の世界だろう。ということは、カブを送り返すことが決まっている今、代わりになる「おもちゃ」が必要だ(笑) 代わりのおもちゃと言ってまず思い出すのが、5月にスイスのティトリスで見かけた、見るからに楽しそうな乗り物「スノースクート」である。今日はまだ少し時間もあったので、そのスクート探しから始めるべく、パリへ繰り出すことにした。
ということでまず、オレのお気に入りのエコル通り(rue des Ecoles)に集まっているアウトドア専門店「AU VIEUX CAMPEUR」へ。ここは若い店員が多く、英語も結構通じるので助かる。コーナーごとに店舗が異なっており、スキー・スノボの店舗へまず行ってみたがスノースクートは置いて無かった。店員に聞いてみると、「うちでは扱ってない無いけど、Saint-Lazare駅の近くの『Citadium』という店にはあると思うよ」と言って、親切に場所まで教えてくれた。
メトロに乗って、次はその「Citadium」へ。ここはパリでも有数の大型店舗で客も多い。もちろんスキー・スノボのコーナーもあったが、肝心のスクートは無い。店員をつかまえてスクートについて聞いてみたら「スノースクートってなんだい?聞いたことないなぁ・・・」という返事。オレがどういうものかを説明すると、「そんなの知らんなぁ・・・パリは山じゃないから、スイスとかの山に近いところでないと無いと思うぜ」と言い放たれた。仕方ないので、パリにあるスキーやスノボの専門店の場所を聞くと「Hawai Surf」という店を教えてくれた。メトロの「Porte d'Ivry」の近くで、その辺まで行って聞いてみたら分かるだろうとのこと。しかし、名前からしてスクートを置いてるとは思えないんだよなぁ・・・時間も遅くなってきたので今日はこのへんで諦めて、明日とりあえず行ってみることにしよう。
そうこうしている時に公衆電話を見つけたので、パリに着いたという感動の報告を、先日ロンドンで世話になった実くんにすることにした。実くんは「おめでとうございます!ホント、良かったです!」と人事なのにまるで自分のことにように喜んでくれた。彼と出会えて本当に良かったなぁ、としみじみ思ったよ・・・その後はスイスのティトリスで出会った日本人一家の1組、藤本さんに電話。彼ら一家は、当時スイスのチューリヒに住んでいたが、今はパリに住んでいるのである。パリに戻ってきた時には夕食でも一緒にどう?というお誘いを受けていたので、明日の午後6時ということでお願いすることになった。
宿に戻ってきて、極北に必要なものは「おもちゃ」だけでは無い・・・ということに気が付いた(笑) ノールカップに居候中のSveinさんとの会話を思い出したのだ。
「冬にトロムソへ来るのに、靴は持ってんのんか?」オレは最初何のことを言っているのか分からなかったので、「そら、いつも靴(ローカットのライトトレッキングシューズ)は履いてるで。」と返答したら笑われた。そうだ、極北の地はとにかく寒いので靴も冬用でないといけないのだ!Sveinさんの話では「トロムソは沿岸やからそんなに寒ないけど、-15度位とちゃうか」ということ・・・「-15度」って簡単に言ってたけど、オレには想像もつかん。明日は1日忙しくなりそうだ。11/24 曇り|雨 パリを駆け巡る Paris/HOTEL PRINTANIA MAILLOT/0km
昨夜飲んだビールのおかげでよく眠ることができ、今日は珍しく朝から行動開始。
まずは「おもちゃ」(笑)ではなくて、極寒対策の装備を整えることから。昨日同様、エコル通りの「AU VIEUX CAMPEUR」で冬用の靴を探す。日本ではあまり見かけない気がするが、スノートレッキングシューズというやつがこちらではかなり一般的なようだ。スキー用品でおなじみの「SALOMON」から出ている「SNOWBOW GTX」(多分日本では未発売)というやつをチョイス。ゴアテックス(GORE-TEX)という防水透湿素材を使ったものにもかかわらず、値段は120.62ユーロ(791.22FF、約13,500円)とお手頃だったからだ。ゴアテックスでは無い「SNOWDOG」(日本でも市販されている)というモデルが110ユーロ程だったからあえてこちらを選んだ。試し履きをしてみると、これがあつらえたように完璧にフィットする。ここまで完璧だったのは、今履いている「GARMONTのアラグニットGTX(ローカットのライトトレッキングシューズ)」に次いで2回目。実は靴にはかなりこだわりがあるが、そのオレを十分満足させるものだった。ちなみに、ゴアテックスのシューズはマジでオススメ。一度使うとやめられなくなってしまうぞ。
靴の後は帽子。スキー用の帽子をテキトーに選んだが結構いい感じになった。服はライダージャケットでいいとして、他に必要なものと言えばオーロラ撮影用のフィルム。ノルウェーはアホみたいに税金が掛かっているので、ここで買っていく方が懸命だろう。フランスには「FNAC」というカメラや電気製品の大型チェーン店があり、そこで各種感度のリバーサル(ポジ)フィルムを8本購入。ネガフィルムと比べて少々値段は張るが、オーロラ撮影にはポジの方がいいだろう。ちなみにSveinさんは写真が趣味らしく、彼のアドバイス通り「オーロラ撮影に最適のフィルム」を選んだ。彼曰く、コダックのフィルムが最適らしい。フジのフィルムはオーロラの色が赤っぽくなってしまうんだって。写真も奥が深い・・・
トロムソはあまりに北にある為、鉄道で行くことが出来ない。つまり航空券が無いことには始まらない(ベルゲンから船で行けないことも無いけど、時間がかかりすぎるため不便なのだ)。凱旋門近くのツーリストインフォメーションでディスカウントチケットを売っている旅行代理店の場所を聞いたが、あいにく土日は休みらしい。場所をプリントアウトしてもらったので、月曜日の朝Reynaud邸へ行く前に行ってみることにしよう。
その後は「スノースクート」を探すべく「Hawai Surf」へ。メトロを乗り継ぎ「Porte d'Ivry」へ行き、バス乗り場のチケット売りの人や、露店の商売人、通行人やレストランの店員に場所を聞いてみたが、誰1人その店を知る者は居なかった・・・名前からして期待出来ないと思っていたが、店が見つからないのでは八方塞。スノースクートは日本に帰ってからのお楽しみにするしかないなぁ・・・
そうこうするうちに藤本さん一家との約束の時間も迫ってきたので、メトロに乗って「Brochant」という駅へ移動。駅に到着後電話をしたら、すぐに迎えに来てくれた。5月以来の対面なので、かなり懐かしい気分になったよ。今夜は「ムール貝」をご馳走してくれるらしい。そういえばフランスでは「ムール貝」をまだ食べてなかったな。(ポルトガルでは食べた)
子供達は5月の時と比べて大きくなった気がした。珍しい来客だからか、色々と話をしてくれる。賑やかな雰囲気でとても心地いい。鍋一杯のムール貝だけでなく今年のボジョレーヌーヴォー(結構ウマい)、シードル(リンゴの発泡酒)、マティーニ、ビールとアルコールも一杯飲ませてもらった(^_^;; ムール貝の後は、そのスープを使った雑炊。和洋折衷だが、とても美味しいものをご馳走になった。
藤本邸にかなり遅くまで居座り、ホテルに戻ってきたのは12時過ぎ。明日は日曜日なのでほぼ全ての店は休み。デパートまで休んでくれるのでたちが悪い。というわけなので、明日は昼まで寝ることにしよう(^_^;;
11/25 曇り 豪勢に乾杯! Paris/HOTEL PRINTANIA MAILLOT/0km
フランスにおいて日曜日は本当に不便だ。日曜日でも営業しているのは、観光地の土産物屋かマレ地区というユダヤ人街のみといっても差し支えないだろう。藤本さんから聞いていた、そのユダヤ人街「マレ地区」へまず行ってみることにした。
日曜日は選択肢が限られるからかマレ地区は人で溢れている。とりあえず昼飯に「ファラフェル」というユダヤ料理のサンドイッチ(肉が入っていないベジタリアンフードだが、結構ウマい)を食べ、ぶらぶらと歩く。歩いているうちに、日曜日でも博物館は開いている(博物館は月曜日が休み)ことを思い出したので、以前ダイアモンド展のおかげで常設展示が見られなかった自然史博物館の地質・鉱物部門へ行ってみることにした。
メトロ「Jussieu」駅で下車し自然史博物館へ行くが、なんと今回も特別展が催されており、常設展示は無し・・・今回の特別展はダイヤモンドではなく、「自然の宝物」という鉱物展だったので、入場料20FF(学割・約340円)を支払い見学してみた。展示の量はしれていたが「宝石展」ということで見栄えのする標本が多く並べられており、十分元は取ることが出来た。カット石に興味は無いが、この宝石展は原石が中心だったので興味深かったよ。
何もすることが無くなってしまったので、カブの旅終了記念として「凱旋門」へ赴いた後、ホテルへ戻って来た。日記を書いているうちに腹も減ってきたので、夕食に出かけることになった。
今日の夕食はある意味特別。「ヨーロッパ一周、無事に完走」という名目で、最初で最後だろうが思いっきり豪華にすることにした。ちょっと高級っぽいレストランで、調子に乗ってみるってのも悪くないだろう。こういう機会でないと、本格的なフランス料理を食べることもないだろうから・・・
まずはオードブルにフォアグラとエスカルゴ。フォアグラは大して美味いというわけでもなかったが、他の食べ物に例えようの無い味だったよ・・・本場フランスで是非一度食べてみたかったのだ。エスカルゴは今回が初体験。サザエのようにしてカタツムリの肉を食べるのだが、エスカルゴ鋏が出てきた時にはちょっとびっくりした。その鋏で貝殻を掴み、小さなフォークで肉をほじくる(表現がちょっと下品やなぁ・・・)。6匹のエスカルゴを食べたが、別段美味いという訳でも無かったぞ(^_^;;
メインディッシュは子羊のロースト。かなりデカい肉の塊から丁寧にスライスしてくれる。全部食えるのかと思っていたが、たった3切れだけを皿に載せて下げられてしまった。残った分はどうするんやろう?処分するんかなぁ。もったいないなぁ・・・(^_^;;
飲み物はもちろんワイン。ボルドーの赤(オレは白より赤が好き)のハーフボトル(375ml)。フルボトルを頼んでも良かったのだが、飲むのはオレ1人なので「こいつ酒飲みやなぁ」と思われたく無かったし控えめにしておいた(^_^;; でも飲み終わった後は、ちょっと切なかった(笑)
食後はリッチにコーヒー。コーヒー豆の形をしたチョコレートがついてきたりと、気が利いている。そんなに現金は持っていないのでもちろんカードで支払ったが、約65ユーロ(約7,000円)・・・西ヨーロッパでホテルに2泊に相当する額だが、オレは後悔していない。7ヶ月に及ぶ「スーパーカブでヨーロッパ一周の旅」の最後としては、ふさわしいものだと思うことにしている。この旅の中で出会った多くの親切な人々に乾杯!ってことなら、これくらい豪華な方がちょうどいい。オレにとってそれだけ最高だったということの象徴なのだから・・・
11/26 曇り 最後の荷造り Paris/Reynaud邸に居候/24.8km
今日はとにかく忙しかった。なぜなら明日は、カブを日本へ送り返すことになっているのでそれだけで1日が潰れてしまうと思っているからだ。まだノルウェー行きの航空券も手に入れてないので、ホテルのチェックアウト前にチケットを購入しに出かけた。一昨日インフォメーションで聞いた旅行代理店へまず行ったが、トロムソ行きは扱ってないとのことだったので、SAS(スカンジナビア航空)のオフィスにて購入。帰りの日は未定ということで、予約だけは入れているものの片道だけを購入することになった。というのも対応してくれた人がとても親切だったから。親身になって相手をしてくれる人でないと、チケットを売ったらハイおしまい・・・ってことになりかねない。何も調べずに行って、こういう都合のいい買い方が出来たというのは運が良かったということなのだろう。ちなみにとても丁寧な英語で詳しく説明してくれたので「複雑」なチケット内容を完璧に理解出来た。
無事チケットを入手した後は、荷物を預かってもらっているパリ郊外のReynaud邸へ移動。久しぶりの再会。早く荷造りしないと間に合わなくなってしまいそう・・・と思いつつも、お父さんとお母さんに旅の話を色々としてしまった。本当はもっともっと話したかったんだけど、そういうわけにもいかない。
荷造りは、カブと一緒に送り返すもの(カルネに記載されているアイテム)、それとは別に日本へ船便で送る「別送品」(いわゆる、とりあえず必要の無い雑貨ってところ)、帰国までに確実に届いていないと困るアイテム(こちらは郵便局から航空便で発送)、さらに帰国までの残りの旅に必要なもの(防寒着として使う予定のライダースーツと一昨日買った防寒靴が異様にかさ張る)のパッキング。時間がかかりそうやなぁ・・・と思っていたが、やはり多大な時間を費やし、深夜にまで及んでしまった。しかし疲れたよ。
11/27 晴れ また会う日まで・・・ Paris/Reynaud邸に居候/108.7km
昨日同様、今日も大忙しだ。まずは朝から郵便局へ赴き、荷物の発送。荷物を送った後は休む暇なくパリの中心街にある日本通運のオフィスへ「別送品」の発送に出かけた。
カブでパリを走るのも今日で最後。今日はある意味特別な日だ。ヨーロッパ一周を達成したという優越感に浸りながら「凱旋門」を通過。凱旋門から続く有名な「シャンゼリゼ通り」を走っていく・・・左写真はその多くの観光客が行き交う「シャンゼリゼ」通りから撮影したもので、バックミラーに凱旋門が映し出されている。「カブ」のイメージとはかけ離れているが、これがヨーロッパなのだ。石畳の道による振動も、今日は心地よい。
パリの中は交通量が多く、一方通行だらけなので走りにくいが、それももう慣れてしまった。もちろん道に迷うことなく日通のオフィスに到着。春にパリへ来た時にお世話になった小島さんを始めスタッフの見守る中、大きなダンボールに荷物を詰め込んでいく。ようやくパッキングし終わった頃には昼の1時になってしまった。
すぐさまReynaud邸へもどり、昼飯をいただく。今度はカルネに記載されている荷物をかばんに詰め込んで空港の近くにある倉庫へ出発。慢性的な渋滞の外周道路を走り抜け、「N2」から「N17」に変わる道路に出る。GPSには空港の場所もマーキングされているので、そこを目指して行けばいい。GPSによるナビも今日で最後なんだなぁ・・・
道中「ネズミ捕り」の現場に出くわし、何台かが捕まっているのを横目にしながら、倉庫街に到着。ちなみにカブでは、いくら頑張っても制限速度まで到達できないので問題は無い(笑)
倉庫街はその名の通り、たくさんの会社の倉庫が軒を連ねている。日通の倉庫は比較的分かりやすい場所にあるので、そんなに探さなくても見つかった・・・当然ながらカブを受け取った4月と全く同じで、とうとう帰ってきた。
親切なスタッフ達の見守る中、風防やミラーを取り外し、ガソリンを抜く。ホースも無く、1リットルくらい残っていたので、エンジンを掛けていてもなかなか減っていかない。この状態ではいつまでかかるか分からないので、しばらく待ってエンジンを冷やし、下から抜いた。最後にバッテリーの端子を外して作業も完了。そしてカブは「保税区間」の中に運び込まれていった。オレが立っている先にカブがあるが、ここへは立ち入ることが出来ないので、眺めるだけ。カブは一足先に帰路につき、日本へ帰国した後再会することになっている。春から休む暇なく走りつづけていたカブにとっては、長い船旅がいい休養になるかもしれないな(笑)
倉庫のスタッフにお礼を言い、バスに乗ってRERの駅へ向う。路線番号を聞いていたが、乗車時に運転手に「ギャレ RER(RERの駅)?」と尋ねると「ウィー、ウィー(そう、そう。)」という返事。切符を買おうと思って財布を出すと、早く座席に座れよって仕草をするので、座席についた。しばらく走り、大きな駅らしいところに着き、ほとんどの乗客が降りるので「ここが駅?」と尋ねると「ウィー(そうだよ)」。それでは、とお金を払おうとすると「セボン!セボン!」と言ってタダにしてくれた(笑)
この話を帰ってからお母さんにすると、「『セボン』というのは『good』という意味なんだけど、『It's OK!』とか『No problem.』という意味でも使うのよ。」と教えてくれた。フランスに行こうと思っている人は是非覚えておこう。駅からはRERでパリ市内へ。2回乗り換えし、国鉄でSaint-Nomという駅へ向う。約45分で到着するのだが、途中の「Le Deffense」という駅で列車は突然止まってしまった・・・日本だと車内の乗客がどよめき出すが、ここはフランス。誰も全く気にしていないようだ(笑) 10分程経ち、アナウンスがあった・・・フランス語のみなので、何と言っているかはもちろん意味不明。さらに20分が経とうとした時に再度アナウンスがあった。もちろんフランス語なのだが、このアナウンスの後多くの乗客が列車から降り出した。近くの人に英語で尋ねたところ、どうやら電気系のトラブルらしい。その人もほとんど英語は分からないということだったので、それ以上のことは分からなかったが、そのやり取りを見ていたサラリーマン風の乗客の1人がオレに「あのー、日本の方ですか?」と日本語で話し掛けてきた。彼は大学で日本語を勉強していたらしく、日本に留学していたこともあるそうだ。かなり上手な日本語でこの状況を説明してくれたところによると、電気系のトラブルで復旧の目処は立っていないらしい。しばらくその人と日本語で話をしたが、いつまでもここに居るわけにも行かないので、家に電話をしこの状況を説明し、RERに乗り換え「Saint-Germin」へ向うことにした。もちろん切符は払い戻ししてくれると思ったが、チケット売り場で頼んでも「ダメだ」とほざきやがる。普段なら金を返してもらうまでトコトン粘るのだが、Saint-Germin駅までお父さんが車で迎えに来てくれるとのことだったので、遅くなるわけにもいかない。腹は立ったけど、正規運賃でRERの切符を買い、出発することにした。実際、世の中の収支はプラマイゼロかもしれない・・・バスで儲けた金額がチャラになってしまった。
駅でお父さんと合流し、車で帰宅。このトラブルでかなり遅くなってしまった。遅くなったにも関わらず、お父さんとお母さんは夕食を待ってくれていた。申し訳無いなぁ、と思いながらの最後の晩餐。Reynaud家にはかなりお世話になった。いつかオレはこの恩を返したいと思う。世の中の収支はプラマイゼロだからね。
というわけで、我が愛車カブ号も倉庫へ持って行ってしまったことで、スパーカブでヨーロッパ一周も完全に終了・・・と言いたいところだったが、やはりそう簡単には終わらない。なんと、家に戻ってきて、カブのカバーと荷造りロープを発見した。捨てていっても良かったけど、これにも思い出が無いわけではないので、小さなダンボールに詰めて郵便で送ってもらうことになった。さらに、今日カブを預けた時にカギを渡し忘れていたので、それも日通パリのオフィスに郵送してもらうことに・・・
毎度のことながら、最後までやってしまった(笑) こんな様子だと明日からの「追億編」も我ながら思いやられるよ(^_^;;
どういう旅になるかはお楽しみってことで、アップロードをお待ちください。