カブでヨーロッパ一周編

 アンダルシア滞在記 前編 [スペイン] (2001/05/01-05/04)
・05/01 再びスペイン入国
・05/02 セビーリャを歩く
・05/03 スペイン事情
・05/04 コルドバにて

通貨単位:Ptas(ペセタ)/100Ptas=約 66.6円


05/01 曇り 再びスペイン入国 Sevilla/HOTEL PLAZA DE ARMAS/210.8km

 雨こそ降っていないが曇り空。早めに出発する予定だったが、出発したのは11時。ちいさな町なので迷わず国道へ出られ、スペイン目指してひた走る。

 少しだが、残ったポルトガル通貨を処分するために国境の少し手前のガソリンスタンドへ。ガソリンを入れて、タバコを買い込む(スペインよりポルトガルの方が少し安い)。あまった小銭でコーヒー、クロワッサンを買い「これからスペインへ行くからお釣りはいいよ」と言ってコイン1枚残さず処分した。コインはいい思い出になるかもしれないが、それ以上に重たいのだ・・・
  ガソリンスタンドに併設するショップは結構便利でコンビニと言ってもいいだろう。また喫茶店やレストランも一緒になっていることもあり、かなり使える。

 国境にはやはり何も無かった。写真のような大きな看板があるだけ。でもここを越えた瞬間、スペインになるのだ。言葉も違う、お金も違う、人々の性格も違う・・・こんな看板1つでは表せない何かがあるのだろう。

 国境を越えてしばらく走ると、スペイン内に出入国管理施設跡があった。ゲートがあるだけで素通り。さらに両替屋が何軒かあった。でもそれだけ。

 ポルトガルと違いスペインの道路は快適。舗装も荒れていないし、所々にパーキングがある。ポルトガルの国道にはパーキングは全く無く、テキトーに路肩に止めて休憩する。しかし路肩が狭いスペインはパーキングを作らざるを得ない。どちらも一長一短である。

 5時頃、予定通りアンダルシア地方のセビーリャという街に到着。ホテルはたくさんあり、安宿も多いのだが、Webページを更新する為三ッ星ホテルにチェックイン。まぁ、たまにはいいか。贅沢にここで2泊して英気を養うとしよう。

05/02 晴れ/曇り セビーリャを歩く Sevilla/HOTEL PLAZA DE ARMAS/0km

 今日はセビーリャの観光。この街にはムーア人が建てた中世に起源を持つ建物が多い。見所になっている所のうち「アルカサル」は王宮として建てられたものだし、「ヒラルダの塔」はもとはミナレット(イスラム教の寺院の尖塔)、カテドラルはモスク跡に建てられたもの、「黄金の塔」もイスラム教徒によるものだ。旧市街の街並みからもムーア人が住んでいたということがよくわかる。夏の猛暑に耐える為に、入り組んだ街路にバルコニーつきの低く白い家が建ち並んでいる。右の写真でも日陰になっているのがわかるだろう?

 まずインフォメーションで地図をもらうのはいつもと同じ。英語で地図をくれと言ったら日本語で返事がきた。ちょっとびっくり。逆にどう接していいか迷ってしまうんだよなぁ。結局舟の博物館の場所も英語で聞いた。こっちが英語で尋ねてるんだから、素直に英語で答えてくれた方が安心できるぞ。それだけ日本人観光客が多いってことか?

 そんな街を1日ぶらぶらしていたが、やはり日本人は多かった。ツアー客がほとんどだが、今日だけで何十人も見た。ポルトガルでは全く見かけなかったのに、それだけここは有名な観光地なんだろう。

 一通り見所をまわった後は道路地図を買う為に本屋を探し歩き、狭い路地で迷いまくった。しかしどの店も閉まっている。一体どうなっているのだろうか?シェスタ(昼寝)の時間でも無いのに。また、今日は闘牛が開催されるらしい。一応スペインの名物だから行こうかとも思ったが、やっぱりやめといた。あんまり興味ないからね(笑)

05/03 曇り/雨 スペイン事情 CORDOBA/Hostal Santa Ana/140.7km

 今日の目的地はコルドバ。距離も100kmちょっとなので出発したのは昼過ぎ。セビーリャ市外へ出るのは全く迷わなかったが、その後よくわからなくなった。曇天の中走行中、GPSではA431上を走っているのに、実際は違う道路。GPSの性能はかなりいいのに、インストールできる地図はあまり信頼できず目安になるだけ。全世界をカバーしているが、結構テキトーに作っている(笑)

 それは初めから分かっていたことなのでたいした問題ではない。途中、ミシュランの地図によると直進するべきなのに、行き先案内看板では「CORDOBA 右」と書いているところがあった。ここは看板に従い右折。20キロ以上走った後に出た看板で、オートビア(高速道路みたいなもので、オートルータと同じ区分)を使う道であることが分かった。だったら初めから書いておけよ!またもやGPSで自分の進んでいる方向を確認しながらテキトーに進むことになった。

 進んでいる方向は良かったが、小さな街に入り込みわからなくなる。とりあえず街から出てガソリンスタンドで道を聞くと、なんのことはないスタンドの前の交差点を右折するだけでA431に出られるとのこと。ポルトガルに比べると看板は豊富だが(ポルトガルは本当に少ない。しかもその少ない看板に落書きされていて意味が分からないこともしばしば)、どこの国でも一般道路を使って町から町を移動する人は少ないんだろうな・・・これには今後も苦労しそうだ。

 そういえば、今日は今までとは景色が違った。乾燥に強いオリーブなどの低木がたくさん見られた。何度か雨に降られたが、止むと風防についた雨滴がすぐに乾燥する。やっと乾燥地帯に入ったということだろう。でも、毎度毎度移動中に雨が降るのは納得できない。

 A431に出てからはまっすぐ進むだけ。3時半頃にはコルドバへ到着。街の中心へ入る前にガソリンスタンドへ。ここのスタンドはちょっと変わっていた。普通、自分でガソリンを入れてから店の中にいる店員にお金を払うのだが(田舎では店員が入れてくれることもある)、ここではまず店員に油種(有鉛ハイオク、有鉛レギュラー、無鉛ハイオク、無鉛レギュラー、プレミアム軽油、B軽油と豊富だ)と量(満タンか、何リットルか、何円分か)を言ってから給油するのだ。こんなのは初めて。そういえば、スペインの田舎では無鉛ハイオク(スペインではSin Plomo 98)は置いていない店が多い(フランスやポルトガルでは大概何処でも置いていた)。まぁカブにはレギュラーでもいいんだけど、ハイオクがあるときはハイオクを入れることにしている。

 給油後は看板に従い街の中心へ。宿を探し出した時からポツポツ雨が降り出した。何軒もアタックするが満室かダブルしか空いていない。いよいよ本格的に降り出した時、敷地内の屋根つき駐車場に入れさせてくれる宿を発見。ここもダブルしか空いていなかったが、値段もまずまずだったので妥協。でも結局、カブを駐車場まで持って行く間にびしょ濡れになった。

 荷物を部屋へ運び込むと、雨は止んでいる・・・今日はツイてない。その時に気がついたのだが、日本では雨が降ったら洗濯物をすぐに家の中に入れるけど、こっちではみんなほったらかし。雨が止んだらちゃんと乾くでしょ、という考えなのか?

 まだ時間もあったので、インフォメーションでコルドバで一番デカい本屋を聞いて、これから走るグラナダとアルメリアの周辺地図を買いに行く。お気に入りのミシュラン(非常に見やすく、情報が新しく正確)からは発行されていないようで、アンダルシア自治州発行と思われるものを購入。安い割に見やすいがかなり古い(1998年)。

 その後の夕食もハズレ。ツイていないときはとことんツイていないものなのかもしれない。

05/04 晴れ/曇り コルドバにて CORDOBA/Hostal Santa Ana/0km

 今日は1日コルドバ観光。こういう日に限って雨は降らない。インフォメーションでもらった地図には英語で観光ポイントを書いてくれているので、それを見ながら各所を巡る。中でもメスキータは印象的だった。写真はメスキータとともにあるミナレット。言ってみればモスクを改築したカテドラルなのだが、度重なる増改築の為よくわからなくなってしまった勢いが感じられる。しかしモスクを改築してカテドラルにするとはキリスト教徒もなかなかやってくれる。もし16世紀に日本が南米のように彼らに支配されていたら、寺や神社をカテドラルにしたってことだろ?一体どんな建物になるのか気にはなるな(笑)

 その後、市内をあても無くさまようと「El Corte Ingles(スペイン各地にあるデカいデパートで、昼休みなしで営業しているのは助かる)」を発見。ちなみに地図コーナーは昨日の本屋のものよりかなり大きかった。

 しかしこの街にも日本人ツアー観光客が多い。観光ポイント周辺の土産物屋には、日本語で書いてある宣伝をよく見かける。

 今日は歩きつかれたので、夕方7時頃には宿に戻ってきた。明日は朝からグラナダを目指す予定。最近、宿を出発する時間が遅くなってきているので、気を引き締め直す為に早めに出発しよう。


戻る 続く