カブでヨーロッパ一周編

 復活!さあ旅立とう [スウェーデン・フィンランド] (2001/09/12-09/14)

・09/12 またまた鉱物 お次は「YTTERBY」
・09/13 フィンランドへ行こう
・09/14 愉快な仲間たち
・09/15 Dear my friends

通貨単位:SEK(スウェーデンクローネ)/1SEK=約13.5円 FIM(フィンランドマルッカ)/1FIM=約19.55円


09/12 曇り|雨 またまた鉱物 お次は「YTTERBY」 Uppsala/Kjellman邸に居候/0km

 今日は朝からJohanに連れられ鉱物採集へ。目的の場所は「YTTERBY」ペグマタイト。変わった名前の場所だが、この産地は世界的に有名で、歴史的にも面白いところなのだ。中学生の時に「元素の周期表」というやつを誰しも見たことがあると思うが、もし近くに持っているなら見てみて欲しい。その下の方の別枠に妙な名前の元素をいくつか見つけられるだろう。その中の「イットリウム」「イッテルビウム」「テルビウム」「エルビウム」「ホルミウム」「スカンジウム」という6つの元素が最初に発見されたのがここ「YTTERBY(イッテルビー)」なのだ。

 そういう珍しい元素がいっぱいあるわけだから、珍しい鉱物もいっぱいあるわけ。Johanとともに馬車馬のように掘りまくって、その甲斐あって興味深いサンプルを採集することができた。見かけは美しくも無い黒い鉱物だが珍しい鉱物達で、こういうのを集めだすようになったコレクターは、重症の域に入るだろう(笑)

 夕方までここでいたが、いつものように10kg以上のサンプルを持って帰ることになった。

 帰宅後は夕食にパスタ(またまたパスタ。もしかしたらKijellman家の大好物なのかもしれない)を食べ、その後はウプサラ大学の保存標本を見せてもらうことになった。度々「保存標本」という言葉を使うが、博物館には展示されている標本以外にその何倍もの標本を所有している。これらの標本は、研究や教育用に使ったり、他の博物館やコレクターの標本と交換したりしているものだ。つまり一般人はなかなか見られないもので、貴重なものなんだよ。

 保存標本は無数にあるので、興味ある鉱物についてだけ見せてもらったが、いい標本も多くウプサラまで来てよかったと思ったね。

 帰宅後はちょっとだけニュースを見てすぐに眠ってしまった。かなり疲れたが充実した一日だった。

09/13 曇り|雨 フィンランドへ行こう Stockholm-Helsinkiフェリー上/VIKING LINE/84.4km

 あまりもたもたもしていられないので、今夜のフェリーでフィンランドの「ヘルシンキ」へ行くことにした。

 まず朝から荷造り、昨日採集した鉱物のパッキング、カブのチェック・・・出発出来たのは12時ジャストだった。ストックホルムのトラブルで多くの人の親切に助けられたが、Johanはもっともお世話になった1人だ。本当にありがとう。

 まず郵便局に立ち寄り鉱物の発送。これ以降は鉱物を採集する予定はないので、Peterにもらったドイツ語の産地ガイドと前に買った「MADE IN JAPAN」のハンマーも一緒に梱包した。どう見積もっても10kg以上あったのだが(オレのカンでは13kgくらいだと思う)、マキシマム10kgのダンボール(固定料金)に詰め窓口に出してやった(^_^;;

 重さを量るときに文句を言われると思い「もう詰めてしまったから、そんな面倒なこと言わんとなんとかしてくれ」という心の準備をしていたが、幸いにも郵便局員の怠慢か重さを量らなかった。350SEKを支払い完了。

 ウプサラを発ちJohanに教えてもらった国道でストックホルムへ帰ってきた。市内に入るときはちょっとだけ高速を使ったんだけどね(^_^;;

 ヘルシンキ行きの船着場は前に泊まった船のユースの近くなので、全く迷わず到着。いつものように一番安い切符(デッキ席はなく、キャビンしかなかった)を買い船へ。直前でかなり雨が降ってきたのでびしょ濡れになった・・・ツイてないなぁ。

 カブはいつものようにすみっこに置くのだが、船員がロープで固定しない。心配なので「ロープで固定せえへんのん?」と聞いたら、どこかからロープを持ってきてオレに渡した。つまり自分でやれってことなのね(笑) フェリー1つでも日本と随分違うもんだ。

 キャビンはユースのようなドミトリーでカナダのバンクーバー在住のメキシコ人(Rovert)とボンベイ在住のインド人(Ninad)と同室。彼らは2人ともいい人で、狭い空間でも十分楽しく過ごせた。こういう船旅のなかなかいいもんだな。

09/14 曇り/雨 愉快な仲間たち Helsinki/Stadion Hostel/19.7km

 1時間の時差があり、ヘルシンキに入港したのは朝10時。いつものようにパスポートチェックも無くフィンランド入り。以前ラップランドで手に入れていた「フィンランドユースホステルガイド」の冊子を見て、船着場近くの大きなユースにアタックするも満室。次に近いところに行くも満室。大都市では宿探しに苦労するのでまたここでもか・・・と思ったが、次にアタックしたオリンピックスタジアムに併設されているユースには空きベッドがあった。とはいえ今は部屋掃除の最中なので夕方4時以降でないと部屋に入れないらしく、荷物はラゲッジルームへ運び込むことになった。その時に日本人の女の子4人組みと出会い少し話をし、また今夜ということで彼女達は街に繰り出していった。

 と、その時、昨夜の船で同室だったRovertoがユースにやってきた(笑) 彼はオレがアタックしたユースに電話を掛けて満室という状況を知り、ここへ来たとのことだった。オレも電話をすればよかったかなぁとも思ったが、そんなに時間はロスしていないのでいいことにしよう。

 Rovertoは仕事(刺繍のデザインみたいなの)のデータを送らないといけないらしく、ネットカフェを探しに出かけた。オレもここにいてもすることは無いので、カブにまたがり中心街へ行ってみた。

 ガイドブックを見ていないオレにとって特に見所は無いのだが、とりあえず中央駅近くの自転車置き場にカブを停めてぶらぶら歩く。駅の近くに郵便博物館があったので立ち寄る。ちなみにフィンランドの切手はなかなかいいデザインで、リヒテンシュタインとまではいかないけれど、アンドラとはいい勝負だと思う。またここはムーミンの国でもあるので、グッズなんかも置いていた。それよりもオレが気に入ったのは、昔に使われていた郵便配達の車の展示だった。大昔のT型フォードなんかもあり、無料で入れる小さい博物館ながら楽しめた。

 雨が降り出したので「ストックマン」という大きなデパートに入り物色。といってもデパートの品揃えは万国共通みたいなものなので、そんなに大したことはなかったが、やはりここでもムーミンコーナーが用意されていた。外も雨なので本屋で立ち読みをしたり、特に意味も無く過ごしてしまった。

 夕方5時をまわったので荷物を部屋に運び込むためにユースへ戻ると、今度は別の日本人パッカー藍澤君と出会った。彼が言うには、午前中に会った女の子4人組みと街の市場で会い、オレの話を聞いていたそうだ。こんな感じで少しずつ有名になっていくのかもしれない(笑)

 彼と一緒に夕食を食べ、今夜の酒をガソリンスタンドで調達。以前フィンランド北部のロヴァニエミでくらった「夜9時以降にアルコール類を買えない」という掟を覚えていた自分が嬉しい(笑)

 ユースへ戻りしばし談笑。さらにユースのパソコンでニュースやメールをチェック(でもオレのメールは何故かハングルに化けてしまい読めなかった)していると、午前中の彼女らとも無事再会できた。そのまま日本人6人で酒を飲むことになったのは言うまでも無い。そこへ「オレも混ぜてもらっていいですかー?」と7人目の日本人山本さんが入りさらに賑やかに。山本さんはかなりの旅人で、今回もシベリア鉄道でここまでやってきたらしい。途中モスクワでは悪徳警官の逮捕に協力するハメになったりと、彼の旅はかなり激しい(笑)
 
みんなで写真を撮ろうということになり外へ出たら、街から帰ってきたRovertoとばったり会い、彼も一緒に記念撮影。タイトルは山本さんのリクエスト通り「愉快な仲間達」。

 ここでお開きということになったが、オレと藍澤君と山本さんは寒空の下、屋外のベンチでさらにウォッカをいただく。ここに8人目になる日本人のおじさんが入り4人で旅話で盛り上がった。このおじさんはまさに猛者で、今の旅はなんと2年目に突入しているらしい。これまでの激しい旅歴は聞いていて時間が経つのを忘れてしまう程で、結局寝たのは2時頃。なかなか疲れたが楽しい1日だった。これを見た「愉快な仲間達」は是非メールちょうだいね。

09/15 雨|曇り Dear my friends Helsinki/Stadion Hostel/0km

 今日ここを経ちエストニアに渡る予定をしていたが、あいにくの雨。さらに風も強い。荷造りする気合も無いので連泊。昼からは、今夜ストックホルムへ渡るという藍澤君と共に市内を散策。大学生の彼は学生時代バスケ一筋だったらしく、色々といい話を聞くことができた。1つのことに熱中し必死にやっている人とは接しているだけで楽しい。為になる内容も多かった。

 彼と3時半頃に中央駅で別れた後は、またまた昨日の郵便博物館へ行ってしまった。というのも4時にRovertoとの待ち合わせをしていたからだ。また先日のフェリーで同室だったインド人のNinadも来ることになっていた。

 彼らと合流し、今度は路面電車と地下鉄で市内を見てまわった。路面電車は終点で折り返すので、切符1枚で窓から市内の風景が眺められる。地下鉄はちょっとだけ郊外へ伸びているので、こちらも切符一枚で郊外の風景を楽しむことが出来る。景色を楽しんだ後は夕食。Rovertoのリクエストで中華料理屋へ入り食後に記念撮影。2人ともいい人達で、彼らと過ごした時間は本当に楽しかった。

 ユースへ戻ると連泊していた山本さんと会った。さらに別の日本人パッカーも加わり酒の買出し。今夜ももちろん飲んだぞ。

 そうそう、この日本人パッカーはエストニアへ行っていたのだが、そこでドイツ人の自転車旅行者と話をしたらしい。そのドイツ人に「ヘルシンキでちっこいバイクで旅をしている日本人と会った」ということを聞いていたんだって(笑)
 オレがこのユースへ来た時にそのドイツ人とちょっと話をしたのだが、噂はどんどん広がっているようだ。日本人パッカーの彼も「まさかここで会うとは」と大爆笑。世の中狭いもんだ。


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