カブでヨーロッパ一周編
鉱物と共に 前編 [フィンランド・スウェーデン] (2001/08/13-08/19) ・08/13 整備と観光
・08/14 またまた北極圏へ
・08/15 MADE IN JAPAN
・08/16 素晴らしき鉱物たち
・08/17 あれよあれよのうちに
・08/18 南進出来ず
・08/19 キャンプ場万歳!通貨単位:FIM(フィンランドマルッカ)/1FIM=約19.55円 SEK(スウェーデンクローネ)/1SEK=約13.5円
08/13 曇り|晴れ 整備と観光 Rovaniemi/HOSTEL TERVASHONKA(ユース)/12.3km
このユースでは一泊だけのつもりだったが、タイヤ交換に時間がかかるかもしれないことを考慮して連泊することにした。昨日の彼は夜行でヘルシンキへ向かうとのことだったので、タイヤ交換後は一緒に観光することになった。また同じユースに泊まっていた、建築を勉強していて北欧を周っているという日本人女性パッカーとも話をした。ここはストックホルムとヘルシンキを結ぶ夜行列車の中継地の為、旅行者が多いのだ。
昨日近くのガソリンスタンドでバイク屋の場所を聞いていたので、特に迷うことなく付近まで来たが、教えて貰っていた「MOTO ROI」という店の看板が異様にわかりにくかった。苦労して見つけたにも関わらず、ここでは交換出来ないとのことで、3軒先の自動車修理工場に行けば交換してくれると教えてくれた。その店に入りタイヤサイズ(2.5-17)を告げると、「そのサイズは珍しいから明日にならないと交換できないよ」というのでタイヤだけ注文しておくことに。カタログの中から「2.5-17」のものを探すが、あの「METZELER」のしかも低いグレードのものしか無い。それでも今のままよりかマシなので妥協して注文してもらう。しかーし、「ヘルシンキには在庫が無いんだって。いつまで待ったら手に入るかって?そりゃ来年の夏だよ(笑)」だと。笑い事じゃないぞ!1人のメカニックがオレのカブを見て「これなら少し幅の大きい「2.75-17」でも問題ないと思うよ」と言うので、在庫のあったピレリのタイヤにその場で交換してもらうことにした。
しかし作業振りを見ていると、バイクはあまり慣れていない様子・・・見ていられない状況だったので、ほとんどオレが自分で作業した(笑) かなり減っていたリアスプロケット、片伸びしている感じがあったチェーン、フロントスプロケットも同時に交換。 幅広タイヤも問題なく収まり作業完了。
幅が広くなった為、幾分スピードは落ちたがグリップは上がっている。これでウエット路面も安全に走れるだろう。ユースを出てから2時間くらいかかったが、良かった良かった。
ユースに戻ると入り口でばったりバックパッカーの彼と会ったので、そのまま観光へ出発。今日はカブを置いてバスを利用。たまにはバスもいいもんだ。世界最北端だというマクドナルドで美味くも不味くも無いハンバーガーを食った後、バスで昨日の北極圏センターへ。2回目だが今日は右写真のサンタクロースビレッジでサンタさんと会える時間帯(昨日は終わった後だった)で、かなり楽しめた。サンタさんはかなり陽気な人で、日本に45回も行ったというだけあって少し日本語を話す。「関空にも成田にもトナカイで行ったよ」だって。ちなみに関西地方がお気に入りらしい(笑)
北極圏センターの後は市内へ戻り「北極圏博物館」へ。「ARKTIKUM」という博物館で、展示はかなり良かった。自然やサーミ人の文化について良くわかる内容。オーロラについてのマルチビジョンというのも見たが、こっちはガックリ。あまりにヘボかったのに追加料金をとられたのは腹が立った。
その後は彼を駅まで送り、ここからヘルシンキへ旅立って行った。数日後には彼はシベリア鉄道の中。その時オレはどこにいるんだろうね?スウェーデンに居たらいいんだけど(笑)
ピザビュッフェでたらふくピザを食った後はユースで執筆活動。10時頃近くのガソリンスタンドにビールを買いに行くと「夜9時以降はアルコールを販売できない」と言われガックリ。それでも捨てる神あれば拾う神あり。ユース2階のベランダでタバコを吸っていると、ヘルシンキから来たという老夫婦がブランデーとウォッカ(フィンランドのウォッカで度数は65度くらい)をもらった。ストレートでコップ一杯程飲んだが、さすがに体がポカポカしてきた。
そのままベランダで、今度は今朝の日本人女性パッカーと話。1時間以上話したが、夕方ヘルシンキへ発ったパッカーと共に久しぶりにたくさん話した気がする。日本人としっかり会話するのはスイスの田中さん一家以来なので約2ヶ月ぶり。また彼女にはすごくバイタリティーがあって、自分で建築事務所を開きたいのだそうだ。まだ問題は山積みらしいが、是非頑張ってもらいたいね。オレが金持ちになったらこんな人に家を設計してもらいたいな。
彼女との話の中で「どうしてそんなに長く旅をしてるのか?」と問われた。短期旅行者(といっても彼女は1ヶ月以上の旅程なんだけど)からしたら、何故そんなに長く旅をするのかが気になるのだろう。オレも4年前にドイツとポルトガルへ行った時、長期旅行者を見て漠然と「凄い人だなぁ」と思った。でもそれは凄いことでも何でも無かった。長く旅に出る人間は「ドキドキ・ワクワクを押さえきれない」というただそれだけなのだ・・・
08/14 曇り/雨/晴れ またまた北極圏 Tore/TORE CAMPING(キャビン)/367.9km
夜中に何度か目が覚めた。こんなことは滅多に無いのだが、同室の1人のイビキが強烈だったのだ。本人はグースカ眠って幸せだろうが、他の人間には辛いぞ。朝同室のイタリア人も目が覚めたって言ってたよ(^_^;;
ユースは安いが、相部屋なのでこういうこともある。 さらにこのユースはかなり変わっていて、朝の6時半頃から掃除のおばちゃんが働き出す。早すぎるちゅうに!10時チェックアウトやったら8時過ぎまでは寝かせてくれ。しっかり10時には追い出され、曇天の中さらに南下。そしてとうとうバルト海へ出た。西へ少し走り、スウェーデン入国後ちょっとのところで1時間の時差も手伝い、昼の1時半という驚異的な時間に宿を決めた。というのもここから国道が北へ伸びているので、スウェーデンでも北極圏まで行ってやろうと思ったからだ。
荷物を降ろし、身軽になって北へ進む。さすがに荷物無しだとカブもキビキビ走ってくれる。約80km走り北極圏へ到達。しかしここは今まで通った北極圏の境界と比べてダントツに寂しかった。というのもこの道路は観光客が通るような道路ではないため、オブジェと小さなレストラン兼土産物屋が1軒あるだけ。悪天候で、今までの境界では写真を撮って無かったのでここで記念撮影。カブを境界上に止めてジャンプ!オレ以外には誰も居なかったから撮れた写真だ(笑)
ノルウェー・スウェーデン・フィンランドと3国の北極圏の境界を踏んだ後は、キャンプ場へ戻りキッチンで「うどん」を作った。スイスで買った乾麺だが久しぶりの味は涙が出そうな位美味かったよ。具はガソリンスタンドの売店で買ったハム。「ハムうどん」(笑)
08/15 晴れ/曇り MADE IN JAPAN Skelleftea/Skelleftea CAMPING STUGBY (MOTELL RUM)/221.7km
キャンプ場のチェックアウト時間は、ユースやホテルと比べるとかなりいい加減なのでありがたい。もちろん出発は12時過ぎ。「ノールカップ」到達後、急に気合が無くなった気がする(笑)
気合が無いので旅ものんびり。今日も移動距離は200km程。今は「Skelleftea」という町に滞在しているが、ここでは長く3泊する予定。これにはもちろん意味がある。ここから約10km程離れた所に「Varutrask Mineral Park」というペグマタイト鉱山跡を観光地にしている施設があるからだ。Peterのサマーハウスに滞在中に、スウェーデンの鉱物産地を数箇所教えてもらっていたのだが、ここはそのひとつ。観光施設が閉まった後に行ったら、タダで採集できるという情報までもらっていた(^_^;;
鉱物を採集するのに絶対必要なものといえば「ハンマー」。道中「ルレオ」という鉄鉱石の夏季輸出港として有名な町へ寄りハンマーを探す。といってもインフォメーションで「ハンマー売ってる店どっかありまっか?」って聞いてから、そこへ行くだけ。店の中でも店員に聞いて探してもらう。ここスウェーデンでは英語がほぼ確実に通用するので結構ラク。
しかしどの店にも普通のハンマーしか置いていなかった。よく考えたら、鉱物採集や地質調査用のハンマーはかなり珍しいので、売ってないのも無理は無い。こんなことなら「Rovaniemi」に居た時に探しておくべきだった・・・と言っても「後悔先に立たず」。
昼飯を食った後「Skelleftea」へ向かう。到着後はまず看板に従いツーリストインフォメーションへ。どう考えても車の旅行者の為に建てている看板なのに、「自動車とバイクは進入禁止」という標識が立っているホコ天の道路を横切るように矢印が向いていたりする。ちなみにヨーロッパでは自動二輪は「バイク」のマークで、原付は「モペット」のマークなのだ。自動車専用区間を走る時は「バイク」になりすまし、こういう時には「モペット」になりすます。カブって便利な乗り物だなぁ(笑)
ここでもハンマーを売っている店を聞く。さらに、ユースか安いホテルの場所を聞いたら親切にも値段まで教えてくれた。ユースは190SEKで、キャンプ場のMOTELは195SEK。もちろんMOTELを選択。鉱物を大量に採集して箱詰めするには出来るだけ気兼ねしないで済む所の方がいい。またMOTELまであるキャンプ場ということは設備もかなりしっかりしているだろうしね。
ハンマーに関しては2軒ピックアップしてくれた。最初行った店はホームセンターで大工用の物しか無かったが、2軒目は大工用品の専門店だった。ここにも無かったら妥協して大工用のを買おうと思っていたら、なんと捜し求めていたのとピッタリ一致するハンマーがあった!鉱物採集や地質調査用のハンマーと言えば、この仕事に携わっている人間なら「Estwing」というアメリカのメーカーがまず出てくるだろう。しかしこのハンマーは「Estwing」ではない。「MIKI」とメーカーのもので、よく見ると「MADE IN JAPAN」と書いてあるではないか。スウェーデンまで来て日本製のハンマーを買うことになった(笑)
このハンマーは「Estwing」と比べて遜色の無い程に良く出来ている。しかも値段が安い(220SEK)。「Estwing」なら600SEK近くするだろう。いい品が安いんだから、日本の製品が世界中に溢れる訳だな・・・まさかこんなところで実感するとは思ってなかったよ。ハンマーを手に入れた後はMOTELのあるキャンプ場へ。VISAカードで支払ったのだが、暗証番号の入力を求められた。ICチップが埋め込まれていない日本のカードは、99%レシートにサインなのだが、暗証番号にも対応しているようだ。それなら世界中のガソリンスタンドで使えるようにしてくれよ!今まで数え切れない程入った「無人スタンド」の中で、使えたのはノルウェーの山奥にあった「シェル」たった1軒だけやぞ!そういえばこの時も暗証番号を入力したな。
時間は夕方6時過ぎ。荷物を部屋に運び込んで休む暇無く、「Varutrask Mineral Park」に直行。ここはかなり素晴らしい鉱物産地でファンタスティックだったのだが、そろそろ眠たくなってきた。明日もそこへ行くつもりなので詳しいことは明日書くことにしよう。
そうだ。眠いけどこれだけは書いておかないといけないな。今日は久しぶりにホームページを更新することが出来た。スカンジナビアは物価が高いので、なかなか電話付きの宿には泊まれない。フィンランドでは公衆電話で何度かトライしたけど、受話器の形状が悪くうまく通信出来なかったのだ。もちろん今日も公衆電話から「音響カプラー」を使っての通信。MOTEL内に電話があったので、静かないい環境で通信出来た。というのも「音響カプラー」はデータを音に変換して通信する原始的な方法なので、うるさい場所ではノイズが入りエラーが出てしまうのだ。また受話器の形状が悪く密着していないと、ノイズが入りやすく音も伝わりにくい。ネットカフェを使うという方法もあるが、フロッピードライブを持っていないので、PC持ち込みで接続しないといけない。さらにISDNやADSLなら不可で、独自にLANを引いているか、アナログ回線を使わせてくれる場所でないとだめなのだ。海外でインターネットに接続するのもなかなか一筋縄ではいかないんだよね(^_^;;
08/16 晴れ/曇り 素晴らしき鉱物たち Skelleftea/Skelleftea CAMPING STUGBY (MOTELL RUM)/27.6km
早く起きられたら、朝から昨日の「Varutrask Mineral Park」へ行こうと思っていたのだが、やはり起床は遅かった。起きたのは11時。昨日は夜中の3時までパソコンに向かっていたから早く起きられるはずが無い。昨夜は久しぶりにメールも取得できたのだが、英語のメールが結構多い。アメリカから2通、カナダから1通、スウェーデンから1通、ノルウェーから1通、ルクセンブルクから2通・・・これに返事を書くのは結構時間がかかる。
昼飯を近くの大衆レストランで食っていると、おじいさんに話し掛けられた。英語はわからないようでドイツ語でゆっくり話してくれる。とはいえオレはドイツ語を分からないので四苦八苦。それでも絵に書いたりして旅の内容は伝えることができた。またおじいさんは「明日の朝8時にまたこのレストランにくるように」とオレに告げた。8時とはこれまた早い時間に・・・と思ったが、おじいさんの好意を無駄にはしたくないので行ってみようと思った。実はこの出会いがオレの翌日の一日を変えることになったのだ・・・しかしこの時は知る由もない。
レストランを後にし、「Varutrask Mineral Park」へ直行。受け付けで話を聞いてみると、坑道内見学はショートコースで70SEK、ロングコースで100SEK。学割はないようだったが、日本で鉱物を研究してるという事を主張し、ロングコースを70SEKにしてもらった(^_^;;
作業服とヘルメット、片手に懐中電灯を持って坑道へ入っていくのだが、坑道内は観光用に完全に整備されている。地面がフラットになっているので、さしずめコンビニ感覚の鉱山ってところ。実際の稼動中の鉱山ならこうはいかないが、それでもなかなか雰囲気はある。右写真はライトが整備されている部分だが、これより奥は懐中電灯のみで入っていく。気温は約5度。懐中電灯に照らされた鉱物は夜空の星のように煌いて美しい。
坑道から出てきた後は、「ズリ」と呼ばれる掘り出された鉱物の貯蓄場(といっても石が山積みされているだけなんだけど)から目当ての鉱物を探す。探すといっても、ここはほぼ鉱物種別に「ズリ」が分けられているので至って簡単。鉱物毎に分けられてているのには理由がある。各鉱物はLi(リチウム)、Cs(セシウム)、Rb(ルビジウム)といった貴重な元素のいずれかを主成分として含んでいる。例えば、戦争が起こって早急にLi(リチウム)が大量に必要になった場合、Li(リチウム)のズリがあれば、そこから素早く効率的に精製できるからだ。なかなかよく出来ているだろう?簡単に採集できるのでついつい15kg程採ってしまった。これをまた日本に輸送するのだから、輸送費を考えると頭が痛い・・・
08/17 曇り|晴れ あれよあれよのうちに Skelleftea/Skelleftea CAMPING STUGBY (MOTELL RUM)/4.2km
結果的に今日は非常に疲れた1日だった。昨日のおじいさんとの朝8時の約束から幕は開けた。
オレが8時ジャストにレストランに着いた時におじいさんはすでにいた。ほとんど会話はわからないままとりあえず朝食を食べる。金を払おうとしたら、おじいさんが払わなくていいよという素振りをしたのでそれに従う。「ラッキー」と思っておじいさんを見ていたが、そのおじいさんもお金を払う様子もない。店員と親しげに話し、時々厨房の中にまで入っていったりしている・・・
昨日もらった名刺によると、Skelleftea市の偉いさんのような感じで「Director of leisure time」と「Director of ice stadium」という肩書きまである。一体何者なんだ??おじいさんはオレに何かを伝えようとしていた。新聞がどうのこうの言っているようだが、オレは把握できない。長時間の格闘の末、どうやらオレが地元紙に載るような話をしていることがわかった。その後おじいさんの車に乗せられ、降りたところが新聞社の前。建物の中に入り、知り合いの記者だと思われる人のところへ連れていかれた。その記者は英語を解したので、今までの旅の話やノールカップでの苦楽などを伝えることが出来た。簡単な取材を受けた後、またまたおじいさんに連れられ今度は写真部へ。スタッフと何やら話をして、おじいさんはオレに説明してくれたがドイツ語なのでもちろん分からない。でも写真部の人が英語で話してくれたのでどういうことなのか理解できた。「今から君はキャンプ場へ戻って。カブと普段走っている服装を準備して外で待っていてくれ。オレは5分後に行くから。何枚か写真を撮ろう。」という内容だった。
おじいさんのクルマでキャンプ場へ戻り、仕度して外へ出ると新聞社の人も到着していた。「ヘルメットをかぶるシーンがナイスだからこうしてくれ」とか「前カゴのJマークが面白いからもうちょっとハンドルを右に切って」などのリクエストを受けながら何枚か撮影(ちなみにカメラはニコンのクールピクスというデジカメ。最近の新聞写真のほとんどはデジカメで撮影されたものだって知ってた?)。その後はおじいさんからのリクエストで例のレストランの看板の前でオレとカブとおじいさんとの写真を撮ることになった。そんな感じで取材は進み、数日後の新聞に載るということだ。
レストランからキャンプ場へ戻ろうとしたら、今度は「今日の夕方6時にまたここへ来るように」と告げられた。6時まではしばらく時間があったので、レセプションで洗濯機のカードを買い洗濯することにした。手洗いでは疲れる上、洗濯機程きれいにならないので、こういう機会に利用しないのは勿体無い。
洗濯の後は採集した鉱物のパッキング。古新聞を貰えないか?とレセプションに行ったら、とても親切な女性店員は新聞紙だけでなくダンボール箱までくれた。さらにテレホンカードともう1枚洗濯機カードを買うと、洗濯機の方はオマケしてくれたり・・・店員にそこまでの権利があるのかどうかはアヤシイけど。そういえば昨日ジュースを買ったときも小銭が足りず0.5SEKまけてくれたな。
ダンボールにつめた鉱物はもちろん重たい。カブの荷台に載せ市内の郵便局から郵送。普通どこの国でもエコノミー便があると思っていたが、スウェーデンには無いようで高い送料を取られた。
またここで運命なのか、あのおじいさんとばったり会った(笑) おじいさんはオレに念を押すように「夕方6時だよ」と言う。それにしても今日はこのおじいさんのペースに持っていかれっぱなしだなぁ・・・郵便局の後は中心街を散策。といっても特に何も無く、ぶらぶらしながら釣り道具屋を2件見ただけ。約束の6時が迫ってきたのでキャンプ場へ戻る。カブを置き再びレストランへ。
おじいさんと夕食を食べていると(もちろんオレは金を払ってないし、おじいさんも払っていない)、おじいさんはまた何かを伝えようとしている。「今日の夕方8時(これも明日の朝8時なのか理解するのに大変だった)」「テレビジョン」「canal 4(チャンネルの名前)」「キャンプ場」「ファイティング」「ルーレオとウーメオ(どちらもスウェーデンの都市名)」ということはわかったが、それ以上はわからない。まるでパズルである(笑)
オレはあまり理解していないが、おじいさんは「カム!」といってオレをクルマに乗せる。わずか100m程の距離を走りキャンプ場へ。「テレビジョン!」と連呼するので、とりあえずテレビのある部屋へ連れて行くと「canal 4」と言いながらを探している・・・が、そのチャンネルが無かったようで今度は「レセプションへ行くぞ!」って感じでレセプションへ。昼間の親切な女性店員と話をして、彼女が英語に翻訳してくれてはじめておじいさんの言っていたことが理解できた。「夕方8時半から、ルレア対ウメアの何かしらのスポーツの試合が「canal 4」で中継されるので、それをキャンプ場のテレビで見たい」ということだった。オレが「何を言っているのか全く理解できなかったよ・・・」というと女性店員は「そりゃそうよね。大変だったわねー」と大笑い。彼女にはもちろん英語が通じるので今日の取材の話やホームページのことなどを話すと、レセプションのパソコンから早速ページをチェックしてくれた。そうそう、「canal 4」が写らなかったのはこのキャンプ場内の交換機が故障しているかららしい。おじいさんは仕方なく諦めたようだが「明日の朝11時」と再びオレに告げて去って行った(笑)
またレセプションの彼女が「今日は日本人の家族が泊まってるわよ。岐阜から来たみたい。」と話してくれ、ふと後を振り向くと、日本人の一家が売店で買い物をしていた(笑)なんと岐阜大学の先生(木材に関する研究らしい)で、北欧の大学を巡っているとのこと。「こんなところで日本人に会うとは思わなかった」と驚かれたが「この世界は狭い」ので日本人がいないところなど皆無に等しいと思う。彼ら一家はコテージに泊まっていて、そこへ招待してくれた。そこでこれまた久しぶりの「梅茶漬け」をご馳走になった。お茶漬けってこんなにウマイもんだったんだなぁ(笑)
そのお礼というわけでもないが、メールをチェックしたいと言っていたので、オレの「007セット」の1つ「音響カプラー」で接続し無事メールを読むことが出来た。今日はあれよあれよのうちに1日が過ぎていった気がする。新聞の取材という楽しいことも経験できたがとにかく疲れた・・・しかも明日には朝11時の約束があるのだ(笑)
そうだ、ひとつ書かないといけないことを忘れていた。夜1時過ぎに外の空気を吸いに出たら、空にはなんとオーロラが!今は夏なので空が明るく、よく写真で見るようなカーテン状のキレイなものではないが、薄く光る2本の筋を見ることが出来た。5分程で消えてしまったが、ちょっと感動したよ。
08/18 晴れ 南進出来ず Skelleftea/Skelleftea CAMPING STUGBY (MOTELL RUM)/0km
予定では今朝ここを発つつもりだったのだが、昨日は疲れすぎたのでそんな気力も無く連泊。さらに風がかなり強い・・・もう風は懲り懲りだし(^_^;;
朝11時の約束を守りレストランへ。10分程待ってもあのおじいさんは来ないのでレストランで昼飯を食べることにした。日替わり定食58SEKを注文しお金を払おうとしたら、店員は「フリー」だという。これもあのおじいさんの力か?いったいあのおじいさんは何者なんだろう・・・何はともあれタダ飯にありつけた。
5分程したらおじいさんが新聞片手にやってきた。もう記事になったのか?と思ったがどうやらそうではない。話から察するところ、このおじいさんに関する記事らしい。でももちろんなんて書いてあるかはわからない。キャンプ場の人に英語に訳してもらってね。と言い残しおじいさんは去って行った。
昼間はホームページ作成に勤しむつもりだったが、なんとなくだらだら過してしまいほとんどはかどらなかった。夕方は昨日の日本人一家(重松さん)に呼ばれて炊き込み御飯をご馳走になった(^_^
結局その後、色々と話をして寝たのは深夜1時半。ホームページもメールの返事も、その上荷造りも全然出来ていないので明日も連泊することにしよう。
08/19 晴れ キャンプ場万歳! Skelleftea/Skelleftea CAMPING STUGBY (MOTELL RUM)/0km
10時過ぎに起きようと思い目覚ましをセットしていたのだが、9時半頃ドアをノックする音で目が覚めた。一体何だ??と思ったらなんとあのおじいさんだった(笑)
おじいさんはオレに「さようなら」と言いに来てくれたようだ。眠気眼でおじいさんに「さようなら」と告げまた眠りにつく。しかしあのおじいさんはオレのことをえらい気に入ってくれたようだな。結局起きたのは11時。レセプションに行くとあの親切な親切な女性店員がおり「連泊したい」と言うと、返ってきた返事は「今日の宿泊費はSkelleftea CAMPINGのスポンサーってことでタダでいいよ」。こんなこともあるんだなぁ。また今朝のおじいさんの話をすると「それは眠たいところ大変だったわね」と笑われた(笑)
昼飯は重松さん一家とともにガソリンスタンドでホットドッグ。さらにマッシュポテトとソーセージ2本。エビサラダにオニオンフライ。これだけ食うとさすがに腹一杯。
ここのキャンプ場は「宿泊費無料」ということを差し引いても、今までに泊まった中でもダントツにいいところだ。場内にサウナは当たり前で、プールやスキー場まである。冬にはリフトが動き夏冬問わず楽しめる。動物もいっぱいいて木登りするリスも見たよ。他にはパターゴルフや巨大チェス、ハイキングコースなどもあって、ちょっとした娯楽施設。マウスカーソルを右画像の上へ持っていってみよう。
ベンチの大きさと比較してわかるようにかなりデカい。これでチェスというのも一興だな。
休憩がてらレセプションの売店にジュースを買いに行くと、昨日の新聞の英訳を店員が渡してくれた。それによるとあのおじいさんは1976年に「Sjobotten Lake」という所にトイレを整備した功労者のようで、この町のレジャー関係の偉いさんでもあるようだ。でもまだよくわからないんだよね。もしかしたらかなりの大人物かもしれないな・・・