旅の知恵 旅の持ち物・・・「備えあれば憂い無し」とは言うけれど、「備え」は非常に難しいのです
・書類関係まず海外旅行に絶対必要なのは「パスポート」。注意しておくのは残り期間。国によっては滞在期間+6ヶ月必要という国もあるので帰国してから6ヶ月以上余裕があるようにするのがベスト。次に観光目的で6ヶ月以内の滞在なら不要という国もあるが「ビザ」。国によって、空港や国境ですぐにもらえる場合もあるが、申請後すぐにはもらえない場合もある。またなかなかビザが下りない国もあるので事前によく調ておくことが必要である。他に帰りの航空券を持っていないと入国を断られる国もあるので注意が必要。
他に、用意しておくと良いものは、学生ならば国際学生証。外国では学生割引は非常に多く、博物館や交通機関などで割引が受けられる。
少ない予算で旅をしようと考えている人には、ユースホステルの会員証も用意しておくと良い。ヨーロッパには多くのユースホステルがあり、リーズナブルな値段で宿泊できる。現地で入会ももちろん可能だが、国内のユースホステルの協会窓口でも発行してもらえる。
・お金盗難に遭う危険性が多い海外旅行には現金を多く持っていくのはお勧めできない。一つの手段としてトラベラーズチェックがある。VISAやAMEXなどで発行してくれる旅行用の小切手だ。円建て、US$建て、ユーロ建て・・・といろいろあるが、現在は円の力は非常に強いので、円建てのトラベラーズチェックを持っていけばよいだろう。よほど田舎でない限り銀行や両替所で現地通貨に両替できる。US$建てでももちろんかまわないが、チェックが残った場合、帰国後日本円に両替するときに再び手数料がかかることを考えると円建てがお勧めである。
他にクレジットカードを使うという方法もある。都市部にはクレジットカードでキャッシングができる機械があることが多く、これなら必要な分だけ引き出せるので、お金が残るということが少ないだろう。
また他には「CITIBANK」という国際展開している銀行に口座を開設し、現地のATMからキャッシュカードで現金を引き出す方法もある。また郵便局とも提携しており、CITIBANKのATMでも引き出し可能な郵便局キャッシュカードもある(海外のATMで引き出すには事前の手続きが必要)。これなら申し込みは全国の郵便局でできる。しかしどこでもに、このATMがあるとは限らないので多少の現金は持ち合わせておく必要がある。持っていく現金は、都市部へ行くのなら日本円で大丈夫だろうが、少し田舎へ行くであれば現地通貨とUS$のキャッシュしか受け付けていないというところもあるので、いくらかは現金でUS$を持っておくのがおすすめである。
・かばん類宿泊先の予約を取っており、現地ではタクシーで移動するという場合なら大型のスーツケースでもかまわないが、荷物をもってウロウロしたいのであればそういうわけにもいかない。この場合、ザック(リュックサック)も持っていくのが最もよいだろう。バックパッカーと最近よく耳にするが、これはバックパック(大きなリュックサック)を背負って旅をする人々のことである。確かに荷物を持って移動することを考えると背負うのがもっともよい。しかし、ザックの大きさには注意しなければならない。40から50lの中型のものから80から100lの大型のものまで豊富にあるが、大きすぎるのは問題で自分の体型に合ったものでなければ疲れるし、楽しい旅どころではない。そのためザック選びは慎重になる必要がある。登山専門店などで店員に相談して購入するのをお勧めする。値段的にピンからキリまであるが、値段の高いものには高いものなりの理由がある。10,000円のものと30,000円のものとでは同じ容量のもので見かけがよく似ていても、背負ってみると20,000円の差を感じることができると思う。背負って歩き回ろうと思っている方は、是非よいザックの購入をお勧めする。
他に小物を入れるために「ウエストバッグ」は便利なのでは?と思っておられる方もいらっしゃると思うが、私はお勧めしない。強盗からすれば明らかに貴重品が入っているとしか思えないウエストバッグはかっこうの標的であるからだ。
・衣類衣食住と言われるように、着るものにも是非気を使ってもらいたい。旅行先の気候をあらかじめ調べておき、適切な服を選ぶ必要がある。ヨーロッパ諸国の春は意外と寒い日が多いので、それに対応できるようにしなければならない。非常に有効なテクニックとして「重ね着」がある。これは服と服との間に空気の層を作ることで保温効果が高めるという方法。フリースという素材はその生地の間に空気の層があるためにあんなに暖かいのだ。
また最近は様々な素材も開発されており、綿に比べ早く乾燥する素材もある(DACRON QDやウィックロンなど)。自分で洗濯し一晩で確実に乾燥させたいのであればこのような製品も考慮にいれるとよいだろう。
さらに驚きの素材として「BREATH THERMO」というのもある。これは水(汗)を吸収して発熱するというもの。店頭でブレスサーモの発熱を体験させてもらった時、正直驚愕した!そのあまりの凄さに、ためらいもせず製品を買ってしまった。最近流行のフリース素材のものは防寒にとてもよい。 市場で売られているものにはピンからキリまでいろいろあるが、「やはり高いものはいいもの」というのは間違いない。POLARTEC 100、200、300などのものなら安心して使用できる(数字の違いは生地の厚さ)。しかし一部の製品を除いては風を通すのでアウターとして使うには少々難がある。
他にレインスーツもあればベストだろう。安物のレインスーツは雨は防ぐがムレるものが多い。しかし、GORE-TEXなどにあげられる透湿防水素材を用いたものなら、ムレが抑えられており非常に快適。またフリース素材のものとセットで使用すれば防寒具としてよい。
現地で服を購入するというのもよいだろう。その土地の気候に最適な服が売られているはずなので非常に快適であることは疑いない。
・くつ類くつ選びは非常に重要な要素で、作りの悪いものや、足に合わないものでは楽しい旅にはなりえない。人の全体重をたった二足のくつの裏だけで支えているということを考えると、その重要性も理解できるだろう。たったあれだけの面積に命をかけているのである。
では実際どのようなくつを選べばよいのかということだが、くつ選びは用途によって全く異なってくる。 旅先でトレッキングを楽しもうというのなら、それなりのトレッキング性能を持つくつにするべきだし、とにかくぶらぶら歩きたいというのなら、軽いくつの方が疲労が少なくてよいだろう。最近ではくつにも色々な技術が投入され、衣類の項目でも述べたようにGORE-TEXを使用した製品もある。それらのものは、雨の日に外を歩いた程度では全くといっていいほど水を通さない。つまり、ゴム長靴のような使い方ができ、靴下はもちろん濡れない。しかもゴム長靴のようにムレないので快適なのだが、値段的には少々お高くなってしまう。
サイズに関して、大きすぎたり小さすぎたりというのはもってのほかだ。必ず買う前には履いてみて、きつくないか、大きくないかをチェックしよう。その際のポイントだが、つま先を最も奥に入れた状態でかかとのところに指一本分の余裕ができるのを目安にすればよい。また、くつを履いた状態で坂道を上り下りしてみて、つま先やかかとが痛くならないかを確かめよう。
いずれにせよ、くつは履き慣れたものがもっともよい。旅立つ前には必ず「慣らし」を完了させておこう。
・その他の小物類旅に出た時だけでなく、日常生活でも便利な小物は多い。ひとつはアーミーナイフと呼ばれるもので、日本語では十徳ナイフと呼ばれる。ナイフだけでなく、缶切り、栓抜き、ハサミなどがひとつにまとまったものである。ビクトリノックスとウェンガーという2社の製品が有名で、品質に関してもすばらしい。これは以外に便利で、是非かばんにひとつ忍ばせておくと、活躍するシーンは多い。しかし、飛行機の機内には持ち込めないので注意が必要。
懐中電灯もあれば非常に便利である。 最近ではLED(発光ダイオード) のものもある。LEDの特徴は、電球の寿命が非常に長く、消費電力が少ないため電池も長持ちする。明るさも申し分の無いレベルなのだが、まだ製品が少ないので選択肢は限られてしまう。クリプトン球やハロゲン球のものは多くあるが、電池の種類には注意しよう。単三や単四のものなら多くの国で入手できるが、リチウム電池は場所によっては入手しにくい。また、他の電気製品で単三を使用するものを持っていくのであれば、懐中電灯も単三用のものであればよいだろう。
折りたたみ傘も非常に便利。宿に荷物を置いてぶらぶら散歩する時、レインコートを着るほどではない雨が降ってきた場合に重宝する。トレッキング用の軽量のものも市販されているので、是非一本持っていこう。