カブでヨーロッパ一周編

 北の大地を目指して [ドイツ・デンマーク] (2001/07/10-07/14)

・07/10 やっとドイツへ
・07/11 嵐の中を走る
・07/12 追い風に吹かれてデンマーク入り
・07/13 ネジ山が潰れてるんですけど・・・
・07/14 白人は暑がり?

通貨単位:DM(ドイツマルク)/1DM=約51円 DKK(デンマーククローネ)/1DKK=約15円


07/10 曇り/雨 やっとドイツへ Brake/HOTEL LANDHAUS/389.8km

 朝7時起床。目覚ましのセット通りに起きられるとは驚異的だ(笑) 朝食の後荷造りをし、9時半に出発。天気は曇りで、いつ雨が降ってもおかしくない様子。

 アムステルダムまで来るのに相当苦労したということは、出て行くのにも苦労するということ。迷いに迷って昼頃ようやく郊外へ出た。郊外では以外にもきれいな舗装のサイクリングロードが続いていて、標識も分かりやすかったので快調に進む。またオランダの国道には、自転車、歩行者、トラクターなどが走行する道が側道として整備されているので、国道へ出さえすればあとは楽に進むことが出来るもの幸いした。とはいえ、全ての国道に側道があるわけではないので、無いところはそのまま自動車専用道路を走ってやった。国道から離れると迷いまくることは目に見えているし、午前中はほとんど道に迷っていた状態だったから、いい加減腹が立っていたというのも事実なんだけどね

 自動車専用道路を爆走し、ドイツへ入った後は手のひらを返したように快適に走ることが出来た。写真は国境にあるドイツ内の制限速度を表している看板。市街地で50km、郊外で100km。アウトバーンは推奨速度130km/hだが制限は無いことがわかるだろう?つまりこの国では「絶対に」高速道路に迷う込むわけにはいかないのだ(笑)
  道路網が発達した国だけに国道も完璧に整備されいる。行き先案内看板もしっかりしているので安心して交差点を迎えることができる。にも関わらず、ブレーメンを目指す予定があまりに快適に進めるので交差点を見逃してしまい、分岐路を通り過ぎてしまった。アウトバーンの看板はわかりやすいのだが、国道の看板を見るのには細かい地名を知っていないといけない。アウトバーンは結構遠い大都市の名前が出ているのだが、国道のものは近くの中程度の都市がメイン。時にはすぐ近くの小さな町の名前しか出ていなかったりもするから、見逃してしまったわけだ。国道はあくまでアウトバーンの補助として位置付けられているから当然といえば当然なんだけど。

 地図とニラメッコしながら、とりあえずデンマークへ行く道を模索する。とりあえず北上すればなんとかなりそうだったので、GPSを頼りにひたすら北を目指す。田舎町に迷い込んだりもしたが、無事に国道へ出た。後はひたすら走る。

 ドイツに入ってから通り雨に何度かやられていて、そろそろ宿を探そうかと思っていた矢先にまた雨が降り出した。雨の中宿を探すのは辛いので、道路沿いに見つけた1軒目に吸い込まれた。併設のレストランでビールと白身魚の唐揚げと大量すぎるポテトを食らう。かなり苦労したがメールもチェックできた。その後は日記も書かず眠ってしまった・・・

07/11 曇り/雨 嵐の中を走る Husum/HOTEL AM SCHLOSS PARK/240.7km

 のんびりと12時過ぎに出発したが、天気は曇り。移動する日はいつもこうだ・・・

 昨日ブレーメンに行きそびれたために、今日のルートでは川や運河を越えなければならなかった。狭いものでは幅はたった数百メートルなのだが、多くの船舶が行き来するので簡単に橋を作ることが出来ない。それゆえにその区間はカーフェリーが運行している。ちなみに今日だけで3回もフェリーに乗った。

 道路や標識は完璧なので順調に進んでいくが、時々通り雨にやられる。しかも今日のは昨日よりも激しい雨。さらに風も結構あるので厄介だ。

 今日中にデンマークへ入れると思っていたのだが、途中嵐に出くわした・・・見渡す限り草原で、周りに見えるものといえば風力発電用のプロペラ群だけ。初めは少し風があるなという程度だったのに、突然大雨と暴風に見舞われた。高速区間だったため路肩もほとんど無く、路上で止まる訳にはいかない。周りには風を防ぐものはなにも無いので、強烈な状況。しかも風は横から吹きつけるという最悪な展開。風にあおられ真っ直ぐ進むことも出来ない。ウインカーを出して徐行するが、あまりの強風に車体が流れる。何度もコケそうになったが、気合でなんとか耐える。台風並の強風。泣きたくなるのを堪えながら、何台もの車に追い越されながらしばらく進むと、別の道路が高架で交差しており、ある程度の路肩があった。オレの走っている道路が下だったのは不幸中の幸い。風の向きを考えて、最も風の力を受けにくい向きにしてサイドスタンドをかける(センタースタンドでは倒れてしまう程の強風)。ここで雨宿り(といっても雨は横から降っているので、雨宿りにはなってないんだけど)をし、しばらく様子を見ることにした。先程のプロペラ群に目をやると強烈な勢いで回っている。よくこんな中を走ってこれたもんだと、我ながら感心した。

 しばらく待つと雨は弱まり、風もおさまってきた。このタイミングを逃すわけにはいかないので、すぐに出発。風の弱いうちに近くの町へ飛び込むのだ!

 雨、風とも激しくなる前に「Husum」という街にたどり着いた。結構有名な観光地らしく、宿を探すがどこも満室。偶然発見したユースまで満室だったのは痛かった。最後にアタックした宿の人が、親切にも空いている宿を探してくれたので助かった。そのため雨が降る出す前に全ての荷物を運び込むことが出来た。

 ビールとポテトと肉という典型的なドイツの夕食後、ホームページのデータをアップしようとしたが、何故かftpサーバーが反応しない。またまたサーバーの不調か?全くしっかりしてくれよ・・・というわけでページを更新できなかった。早く更新したいんだけどね(^_^;;

07/12 曇り/晴れ|雨 追い風に吹かれてデンマーク入り Lokken/HOTEL GARNI Vestkysten/417.6km

 朝方は風も強く、雨も降ったり止んだりだったが、昼前には晴れてきた。オイル量をチェックしたら結構減っていたので、オイルを継ぎ足して12時に出発。風はかなり強いが昨日とは決定的に違う。そう「追い風」なのだ。それほどアクセルを吹かさなくてもぐんぐん伸びる。ここからデンマークとの国境は近かったので、すぐに入国。ちなみにデンマークはいわゆる「北欧」に属している。とうとう北欧に入ったぞ。

 追い風とはいえ道路は常に一直線ではないので、向かい風や横風になることもある。海沿いを走った時は強烈な横風で苦労し、向かい風の時は全開でも40km/hしか出なかった。でもほとんどの区間は追い風だったので助かった。さらに天気も曇りで時々晴れ間も差す状況。勢いよく回る風力発電のプロペラ群も見ていて気持ちがいい。

 結局今日は夕方9時頃(日没は10時過ぎなのでまだ明るい)まで走り、デンマークの北部のLokken(本当は「o」に「/」が入っている。他には「A」の上に「o」がついているものや、「A」と「E」が合体したものなどデンマークに入ってから見慣れない文字が出てきた)までやってきた。しかしここへ来る50kmほど手前から雨が降りだし、ここへ来た時にはびしょ濡れ。宿はすぐに見つかるだろうと高を括っていたが、それが結構苦労した。1階がバーで2階に宿泊施設のある典型的な安宿に聞いてみるが、これが目の玉が飛び出るほど高い。デンマークは北欧だけに宿代は高いと覚悟していたが、600DKK(約9,000円)は高すぎる。他に宿を何軒か紹介して貰い、雨の降る中宿探し。ハイシーズンだからか満室のところが多く、やっと宿を見つけた時にはガッツポーズをしてしまった。ちょっと変わったB&Bで、家主は出かけているのかフロントにカギが置いてある。書置きがあって「勝手に持っていって下さい」とのこと。治安のいいところだからこんなこともできるんだろうなぁ。値段は1泊340DKK(5100円)は今迄行った国から考えたら激高だが、ここではリースナブルなんだろう。しかしここまで宿代が高いとは・・・

 ちなみにどうしてこの街まで来たのかと言えば、ルクセンブルクにいた時に、Peterから何箇所かデンマークの「琥珀」産地を教えて貰ったから。ここLokkenはその中の1つ。「琥珀」を探してやろうというわけだ。

 雨の降る中荷物を部屋に運び込み、運び終わったら雨が止んだ。その後ベランダで、同じ宿に泊まっていたスイスのチューリヒからバイク(Kawasaki ZZ-R 1100)で来たという夫婦と楽しく会話。旦那さんはフランス語圏で奥さんはドイツ語圏。奥さんしか英語を話せなかったので会話を翻訳してくれた。その会話の中で「どこで英語を学んだの?イギリス?」と聞かれたので、「もちろん日本でだけど、何故にそんなことを聞くの?」と聞き返したら「いい英語を話すからイギリスで勉強したのかと思ったわよ」とお世辞まで言ってくれた。もちろんバリバリのジャングリッシュなんだけどね(笑)

 夕食の後は爆睡。追い風とはいえ400km以上走ると疲れるもんだ。

07/13 曇り/雨 ネジ山が潰れてるんですけど・・・ Lokken/B&B/0.5km

 居心地がいいのでここでもう2泊して琥珀を探したいと思っていたのだが、あいにく満室。親切にもマスターは他のB&Bに片っ端から電話をして、2泊できる所を見つけてくれた。さらにどうしてここまで宿が混んでいるのかを教えてくれた。明日とても大きなコンサートがこの街で開催されるらしい。ヨーロッパでも超有名なアーティストが何人か来るので、それを目当ての客が多いんだと。さらに「今日は「琥珀」を探そうと思っている」と話したら、探し方(といっても海岸に打ち上げられている海藻の中から探すというだけ)を教えてくれて、見本だと言って彼が集めた琥珀の入った小瓶から、小さいがとても綺麗な1つをオレに渡した。「そこの海岸で拾ったものだよ。君にあげよう。頑張って探しなよ!」

 そんな親切で粋なB&Bを去る前に、屋根のあるところでカブのチェーンの張り調整をさせてもらった。その時はじめて問題に気がついた。「ネジ山が潰れているんですけど・・・」
 そう、チェーンを微調整するネジがあるのだが、ナットを回しても動かないのだ!チェーン調整をする時にはメインのネジを必ず緩めないといけないのに、それをサボって微調整ネジを強引に引っ張った為だと思われる。もちろんオレはそんなヘボいことはしない。そう、パリでタイヤ交換に出した時としか考えられない。きっとメインを締めこんでからかなり微調整ネジで引っ張ったんだろう。交換後、うまく調整出来ているのでそのままで走ってきたが、まさかこんなことになっているとは・・・
 とりあえず、予備のナットを上から締めこんでちょうどいい具合に調整できたが、このごまかしも今回の一回きり。次に調整する時は、どうにもしようが無い。

 困ったことになったとはいえ、いつまでもこのB&Bにいるわけにもいかないので、紹介してもらった空室のあるB&B(1泊300DKK。約4,500円)へ移動。距離は約500mと近く、すぐに着いたがなんと留守。おまけに雨も降り出しやがった。結局40分程待たされてチェックイン。

 まず、潰れたパーツを入手しないといけない。いくつかスペアパーツは用意しているのだが、壊れるものに限ってスペアを持っていないんだよなぁ。スウェーデンにいるPeterにまず電話をし、事情を話して荷物の受取を頼み、さらに日本の友人に電話。急ぎパーツを入手してPeterのサマーハウスにEMSで送ってもらえることになった。毎度毎度すまないね(^_^;;

 その後昼飯を食べ「琥珀」探しに出かけたのは4時を過ぎてから。強風が吹きつける海岸に着いた途端、土砂降りの雨が降り出した。雨はしばらくして止んだが、風は止まず。そんな中で黙々と探すこと約3時間・・・今朝もらったものにはかなり劣るが、不透明な小さなものを3つ見つけることが出来た。綺麗では無いけど、いい思い出になった。

 夕方、ヨーテボリ住んでいるというPeterのお兄さんに電話。明後日、日曜日の夕方にヨーテボリに行くことを告げ、泊まらせてもらうことになった。いい人達と知り合えて本当に良かった。Peterには感謝しても感謝しきれないな。

07/14 晴れ/曇り 白人は暑がり? Lokken/B&B/59.6km

 昨日までの悪天候がウソのように、今日はいい天気。強風も止み気持ちいい程度の潮風が吹いている。こんな天気が続いてくれたらいいんだけどね。

 ゆっくり起きたので、昼から行動開始。まず近くの町にあるという「琥珀ショップ兼博物館」へ。確かに多くの琥珀があるのだが、博物館と銘打つ程の内容でもなく、値段もバカ高い。標本として購入するなら日本の方が安い位。10分程でそこを後にし、近くを散策。

 今日は暖かいのでビーチには海水浴客もいる。とはいえ日本のように人があふれているわけではないのは、ヨーロッパのいいところだ。しかし、オレが思うに海水浴をするには寒すぎる。白人のほとんどはタンクトップや半袖、短パンという出で立ちなのだが、オレには長袖がちょうどいい位。オレは自分で暑がりだと思ってるんだけど、白人はもっと暑がりなのか?

 疲れたので宿に帰ってきて昼寝。心地よい暖かさでまどろむのは気持ちがいい。


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