縦横夢走 2009年 北海道一周編

 北の大地 再び [後編] (2009/08/10-08/16)

・08/10 美味いものづくし
・08/11 霧につつまれた岬を巡る
・08/12 広大な湿原
・08/13 雨の中を突き進む
・08/14 優雅な時間を
・08/15 さらば!北の大地
・08/16 行き交う船と


08/10 晴れ/曇り 美味いものづくし 根室市/インディアンサマーカンパニー(RH)/315.7km

 昨夜から泊まっている国設羅臼温泉というキャンプ場はなかなか面白い。というもの、場内を野生の鹿がウロウロしているのだ(笑)
 今朝の朝食は昨日の残りの食材(モヤシとソーセージ)を味噌汁に入れて煮込んでみた。1人ならテキトーに済ませてしまうが、こういう朝食も悪くない。具を食べきったあとに、チキンラーメンを入れてみたが、これもなかなかイケた。

 ドラッグスターの彼に別れを告げ、まずは知床半島の東側へ。キャンプ場は快晴だったが、山を降りると霧に包まれており、これはこれで雰囲気がある。ちなみに知床半島を一周する道路はないが、途中の相泊という集落までは道が通っている。西表島にしてもそうだが、道路がついてしまうと自然環境は損なわれてしまうものなのかもしれない。

知床 相泊集落には、海岸線に無料の温泉があり、そこで朝っ風呂を浴びる。ちょうどいい湯加減で気分もリフレッシュしたので、一旦羅臼に戻って、お次は知床峠を抜ける。山を上がっていくと霧も晴れ、眼下に雲海が広がっていた。近くて遠い島「国後島」が遠目に見ながら、どんどん山を上がっていく。

 峠を抜け北西の海岸に抜けると、まずは知床五湖へ。ここは熊の出没状況によって、どこまで回れるのかが決まるらしいが、今日はあいにく二湖までしか回れなかったが、なかなか素晴らしい景色に出会うことが出来た(ロールオーバーイメージは二湖に映る知床連山)。

 知床五湖を後にしたら、国道334号で斜里へ抜ける。途中オシンコシンの滝を眺め、斜里に到着後は国道244号で標津へ出る。内陸はかなり暑くメッシュジャケットで大丈夫だったが、海沿いに出ると気温が下がりレインスーツを羽織ることになった。

 標津ではサーモンパークという鱒類の展示の種類数では日本一との水族館へ。ここはなかなか充実した展示で、係員の人がこまめに水槽の表面を拭いていた。鱒類は基本的に低い水温で飼う必要があるので、こういった細かい手間が必要なんだろう。

野付半島 サーモンパークを後にし、野付半島へ。野付湾ではこの時期、北海シマエビ漁が有名なので、ここまで来たからには旬の北海シマエビを食べてやろうというわけ。で、注文したのが北海シマエビのおどり食い。なかなかいい歯ごたえで、噛んだ瞬間にびくっとなるのがたまらない。今回の北海道旅は、美味いものを食ってやろうというもの、ひとつの目的だったりする。

 この野付半島は、ナラワラやトドワラと言った元々そこに生えていた木が、海水の浸食によって立ち枯れした様子が見られる。さびしい雰囲気だが、それはそれで幻想的(ロールオーバーイメージ)

 その後はひたすら南下し根室を目指す。霧が出てきて、かなり寒くなってきた。途中、エゾシカが道路に出てくる光景に出くわしたりしたが、5時半をちょっと回った頃には根室市街へ入ることが出来た。調べたところ、根室にはキャンプ場が無いようなので、今夜はインディアンサマーカンパニーというライダーハウスに泊まることにした。

 このライダーハウスは、魚介類を販売しているお店が好意でやっているライダーハウスで、1000円以上の買い物をすると、宿泊費はタダという素晴らしいお店。ここでカニを買って自宅へ送ると、カニ1匹サービスとのことなので、それを利用し発泡スチロールの箱にカニをガッツリ詰め込んでやった(笑)
 言うまでも無いが、サービスの花咲ガニも抜群の味。小さいかなと思ったが、1匹でお腹いっぱいになった。

 ここは道内でもかなり素晴らしいライダーハウスだと聞いていたが、宿泊客同士が交流できるようになっており、かなり居心地がいい。部屋でみんなでカニを食べ、その後は酒を飲みながらわいわい語り合う。旅人同士の語らいを肴に、夜は更けていくのであった。

08/11 晴れ/曇り 霧につつまれた岬を巡る 川上郡標茶町/塘路元村キャンプ場(キャンプ)/308.9km

 旅の夜は普段と比べると基本的に早い。昨夜は随分遅くまで飲みながら日記を書きつつ喋っていた気がするが、それでも12時過ぎには全員が就寝。そんな感じなので朝は当然早くなる。オレもご多分にもれず6時前には目が覚めた。
 
外を見ると、あいにく濃霧。根室あたりは霧につつまれることが多いようで、昨日ここへ来るときも結構な霧だった。しばらくすると霧も晴れるかなぁ・・・何てことを思いつつ、今日は思いっきりだらだら過ごし、出発は9時過ぎってところ。このころには根室市街は結構晴れてきていた。

納沙布岬 まずは北海道の最東端である納沙布(ノサップ)岬へ向かう。根室の町を出るころには、また霧が立ち込めていた。もちろん納沙布岬も霧につつまれていて、遠くの船の航行の安全のための霧笛の音と、鳥の鳴き声が響き渡っている。

 岬の先端まで歩くと、ちいさな石の目印のようなものがあり、ここから左が日本海、右がオホーツク海というようになっているようだ。さらに海岸線には難破したロシアの貨物船も見られ(ロールオーバーイメージ)、深い霧とあいまって、地の果て感がした気がしたかな。

 納沙布岬の後は、一度根室へ戻り、名物のエスカロップを食べてみた。エスカロップとは根室“だけ”で超有名な定番メニューで、大抵どこの店でも出しているメニューらしく、バターライスの上に、薄切り肉のとんかつをのせて、デミグラスソースが掛かっているというもの。ちなみに驚いたことに、根室ではアメリカンドッグにはケチャップやマスタードではなく、砂糖をまぶして食べるとの話も聞いた。ドーナツみたいでおいしいよ、との話だが、中のソーセージと砂糖の相性が気になるところだ。

 その後はいつでも霧が多いと言われる、霧多布(キリタップ)岬へ。もちろん霧が掛かっていたが、ここでも霧笛の音が鳴り響いていた。他には、アゼチ岬などをめぐり、霧多布湿原を見下ろせるという琵琶背展望台へ。

 今日は国道ではなく、海岸沿いの道道をずっと走っていたので、かなり時間がかかってしまった。牡蠣で有名な厚岸(あっけし)に入るころには、お昼をだいぶ回っていた。ここではもちろん牡蠣を食べないと始まらないので、牡蠣尽くしのメニューを注文し、昼食と夕食の中間みたいな時間帯に、お腹いっぱい食べてしまった。

 そうこうしているうちに時間もかなり経ってしまったので、今日は釧路湿原に近い塘路湖にあるキャンプ場で早々とテントを張る事にした。こちらは霧も晴れていたので、荷物を置いてから夕日を見に行くことに。まずはキャンプ場から一番近いサルボ展望台。駐車場から400mくらい山を登った先にある展望台から見る景色は確かに綺麗なのだが、夕日を撮るのにはいい場所ではなかったこともあり、草々と引き上げる。日も大分落ちてきたが、もう少し南にある細岡展望台へ行ってみることにした。到着した時には日の入りの時間直前だったが、太陽が雲で隠れてしまったので夕日を拝むことは出来なかったが、赤く染まる釧路湿原の蛇行した川を見ることが出来た。

 その後は道路沿いで見つけた地元の人で賑わっている店で、ザンタレ(鶏肉のから揚げに甘酢のようなタレをかけている。なんとその店が元祖らしい。ちなみに、後からツーリングマップルに載っている事を知った^^;)を食べたのだが、ハーフサイズを注文したにも関わらずザンタレの量が恐ろしく多く、夕食でも超満腹・・・今日一日は色々と食べ過ぎてしまった。

 飯の後は風呂ということで、キャンプ場から10kmちょっと離れた天然温泉で汗を流す。で、帰ってきてからこの日記を書いているが、何気に恐ろしく眠い。昨日の睡眠時間は短い割に、今日もなんだかんだで300km以上走っていたりするので、疲労がかなり溜まっていることは間違いない。なので今日の日記はこの辺で。

08/12 曇り 広大な湿原 川上郡標茶町/塘路元村キャンプ場(キャンプ)/58.8km

 昨夜は日記を書いた後、すぐに爆睡し、5時頃目が覚めたがそのまま二度寝し、起きたのは7時過ぎ。ここ最近からすると相当遅いが、旅をしていない時なら早い方かもしれない。

 今日は一日かけて、釧路湿原をじっくりと見ようということで、オレが選んだのはカヌーで川を下るという方法だ。展望台を巡って湿原を突っ切る道路を走り回るというもの一手だが、時間はかかるがより近い視点で見られるからという理由だ。

 カヌーは約18kmのコースを下るというもので、昨日展望台から見た釧路川を下っていく。集合は朝9時半とのことだったので、7時過ぎに起きても実はかなり余裕。

 ガイドさんとともにカヌーに乗り込み、塘路湖から出発。ここ塘路湖から海までは約30kmで、この部分の標高が10mっていうんだから、いかに平坦かがわかるだろう。そんなわけなので、川は非常に緩やかな流れとともに右へ左へ曲がりくねっている。展望台から見ても曲がりくねっているのはわかるが、カーブの内側と外側での流れの速さの違いや、外側はどんどん削られて木々が倒れている様子などを間近で見ることができるのは、カヌーの強みだね。ちなみに、倒れた木々は水中ですぐに腐ってしまうのかと思いきや、水温が夏でも低いのでなかなか腐らないらしい。

 途中、エゾシカはもちろんのこと、オジロワシが木に止まって羽を休めているのを目撃。手前の木とかぶってしまい、写真は撮れなかったがカラスとの大きさの違いに驚いたりもした。

 休憩した場所では、エゾシカだけでなくミンク(あの毛皮のミンクが野生化したものらしい)の足跡まであった。ガイドさんの話だと、以前はキタキツネもたくさん居たらしいが、最近は随分減っているとのこと。川の生き物については、ウチダザリガニという最大30cmくらいになるという外来のザリガニも増えているらしく、色々なところで生態系が壊されつつあるような話だった。ちなみにこのウチダザリガニは、昔に摩周湖に住む魚のエサとして放流したものが増えているらしい。

 とまぁそんな感じで、結構長くカヌーを漕いで疲れたので、カヌーの跡はテントで少し仮眠。その後はぶらっと湿原を見渡せる展望台に行ってみた。二本松という場所とコッタロ展望台を訪れたのだが、ダートをしばらく走らないと行けない二本松展望台からは、広大な釧路湿原が足元に広がり、遠くには釧路の町まで見える絶景だった。蛇行した釧路川を見るには、昨日の細岡展望台からが見やすいが、湿原全体の広がりについては断然ここからの眺めだろう。ここはあえて画像は載せないので、実際に自分の目で見てもらいたい。ツーリングマップルには載っていない場所だが、地元では有名な場所っぽいので、調べればすぐに分かるはず。

 その後は標茶の町へ抜け、買出しとガソリンを入れてキャンプ場へ戻ってきた。もう残りの日が少なくなってきたので、そろそろ小樽へ向けて舵を取らないといけない。天気予報では、明日は雨みたいなので、雨が降り出す前にテントを撤収し、早朝に出発したいと思っている。そんな感じなので、今夜は早く寝ることにしよう。

08/13 雨 雨の中を突き進む 苫小牧市/ホテルドーミーイン苫小牧(ビジネスホテル)/455.3km

 結論から言うと、今日はひたすら走った一日だった。

 昨夜は日記を書いた後、近くのテントの人に声を掛けられ、ビールまでご馳走になり焚き火の元で楽しい時間を過ごした。とは言え、早朝出発に備え9時頃には寝た。そんなこともあって、起床は4時の少し前。ようやく空が白み始めた時間といったところ。幸いまだ雨は降っておらず、歯磨きをし顔を洗って、寝袋やマット、テントなどを片付け、5時前には荷造りを終え出発することになった。

 出発してから釧路までの国道391号は霧に包まれていたが、釧路から国道38号に入り少し行った所、時間にして6時頃から雨が降り出した。もたもたせずに出発して良かった。しかし、雨が降る朝は相当に寒い。表示されていた気温は16度。これで8月なのかと疑いたくなるような数字だが、旭川で買い込んだタイツとフリースを着込んだこれ以上あたたかい格好は出来ないという装備だが、それでも寒かった。

 そこから国道38号を進み帯広へ。天気が良ければもっとゆっくり出発するので、帯広で豚丼をと思っていたが、8時半頃帯広を通過したので店はまだ開いていなかった。帯広からは国道236号で南へ。その後国道336号に乗り換えて襟裳岬への道を進む。襟裳岬への道の広尾から約30kmの区間は、黄金を敷き詰められるほどの巨費を投じて作ったたといわれる、黄金道路と言われているちょっと有名な道だ。どんな道かと言えば、海岸沿いに無理やり道を作ってみたという感じで、やたらと覆道が多い道だ。今ではいくつかの覆道のうち、危険な場所(と思う)はトンネルに付け変わっているが、海のすぐ側なので、波や風が強いと道路にまで波が被るそうな・・・そんな感じの道なので、是非一度通ってみたいと思っていた。今日は天気こそ悪いものの、風は大してなく波もそれ程高くもないので安全に走れたが、降雨量が多かったり、波が高いとすぐ通行止めになってしまうらしい。

 そんな道路を抜けていよいよ襟裳岬へ。岬の周辺は風がかなり強く、直線の道を走りながらも身体を傾けないとまっすぐ走れない程。ノルウェーで死にかけた時と比べると随分マシだが、走りながらあの時のことを思い出してしまった^^;
雨と風の中襟裳岬に到着したものの、カメラを出そうにもなかなか大変なので、ジップロックにカメラを入れてチャックを開けてレンズ部分が出るようにして、何とか撮影した一枚。今日はこれだけしか写真を撮れなかった。ちなみにこの襟裳岬の辺りは、普段から強い風がふいているらしく、土産物屋のおじさんが、「キミは襟裳らしい日に来たねぇ」と笑っていた(笑)

 雨はまだ降り続き、サイドバックはレインカバーをしているものの浸水している。でも中身は基本的にジップロックに入れて小分けしているか、ビニールの袋に入れているので特に問題は無い。リュックもレインカバーを装着しているが、かなり浸水していたのは誤算で、中身が結構濡れてしまった(>_<)
靴はゴアテックスなので浸水は大丈夫と思っていたが、レインスーツから滴ってきた水が、上から流れ込んできて結局水びたし・・・ゴアテックスのレインコートに至っては、お尻や肩の部分を中心に浸水してきて、中に着ている服まで濡れてしまった。ゴアテックスとは言え10年近く使っていると、きちんと洗濯をして薬剤で処理しても撥水性が復活しなくなっているし、肩やお尻から浸水するということは、生地が弱くなっているから浸水してくるというわけで、もうそろそろ寿命なのかもしれない。

 そんな様相だったので、荷物を全部出して乾かしてやる為に、どこかキャンプ場のバンガローでも借りようと思ったが、この時期バンガローは家族連れでいっぱいで、結局のところ携帯から苫小牧のビジネスホテルを予約して、苫小牧まで走ることにした。ライダーハウスでは他の人の迷惑になるので、今夜は致し方ないかな。

 値段はシングル一泊4500円で天然温泉つき。部屋に入るとすぐさま荷物を全部ひっくり返し、バッグや濡れた衣服を乾燥させる。100均のファイルケースを加工したマップホルダーにもかなり浸水したので、濡れたツーリングマップルに間に紙を挟んで乾燥。おまけにバッテリーが減っていたノートPCの充電もして、温泉に入って今夜はぐっすり寝ようと思う。

 明日は天気もいいようなので、テキトーにウロウロしてみようと思う。明後日の夜のフェリーに乗らないといけないので、明日はそれを踏まえてキャンプ地を考えよう。

08/14 曇り/雨 優雅な時間を 岩見沢市/ヘラブナ公園(キャンプ)/328.1km

 疲れも溜まっていたのか7時に目覚ましがなるまで爆睡。さすがはビジネスホテルといったところで、部屋中に荷物をばらまいて、エアコンでドライにしておいたので靴以外は全部乾いていた。乾きづらそうなものは乾燥機でちょこっと乾燥したので、バッチリ荷造りをすることが出来た。

 出発は8時過ぎで、まずは国道234号で北上し、由仁という町から道道3号でメロンの町夕張へ。夕張は財政再建団体になっているからか、閉鎖された店や施設が多く、活気は少なかった。メロンの時期もそろそろ終わりだからってのもあるかもしれないけど。メロン城とかいうメロンからブランデーやリキュールを作る施設を見学してみたが、工場は動いておらず閑散とした雰囲気だった。バブルの頃は大勢の人が集まってワイワイやっていたのだろうが、今となっては無駄にお金を使った施設であったと言わざるをえない。夕張で賑わっていたのは、花畑牧場の施設くらいかな。オレは行っていないけどね。

 その後は国道452号を北上し、途中東にそれて富良野へ。富良野では訪れて居なかった麓郷へいってみたが、なかなかいい雰囲気のところだった。ただ、北の国からの舞台になった場所とかがいっぱいあって、人が多すぎたというのはいただけないところかな。でも、展望台のあたりには小さいながらも花畑があり、なかなか綺麗だった。

 草原にポツンと白樺の木が立つ場所があったり、野菜の直売所を覗いてみたり、自家製のハーブソーセージを食べてみたり、コーヒーを飲んでみたりと、実に優雅な時間を過ごせたように思う。

 富良野を後にし、国道38号で芦別へ。この富良野から芦別の間で見事に雨に降られた・・・土砂降りとは言わないまでも、かなりしっかり降ったのでまたびしょ濡れ(>_<)
でも時間にして15分程度だったので、濡れたのは表面だけで浸水は免れたのは、ホントに助かった。

 芦別の道の駅では、ジンギスカン丼を食べてさらに西へ。国道275号に乗ったら、お次は南へ下り、途中道をそれて、岩見沢というところへやってきた。ここは途中分岐した由仁の近くだったりするので、富良野までぐるっと一回りしたというわけ。

モノローグの木とヘラブナ公園 で、今宵のお宿はヘラブナ公園というタダの公園(笑)
でも、なかなか素晴らしい公園だったりする。実は北村ふれあい公園という無料キャンプ場で泊まるつもりだったのが、人がいっぱいだったのでその近くにあった公園にテントを張ってみた(ロールオーバーイメージ)。まぁ他にもテントを張っている人がいたので、問題は無さそう。しかもこの公園、実はタダの公園ではない。隣にセイコーマート、むかえに天然温泉という素晴らしい立地だったりする♪

 いよいよ明日は最終日。夜に小樽からフェリーに乗り込むので、それまでは小樽周辺をテキトーにぶらぶらしてみようと思う。

08/15 曇り/雨 さらば!北の大地 日本海/新日本海フェリー上/177.5km

 昨夜はヘラブナ公園のツーリングキャンパーと共に、しばらく話をしていたが、結構早く眠った。6時前に目が覚めたときには、もう1人は出て行ってしまった後だったが、それからダラダラと片付け、8時頃出発することになった。

 進路を札幌に向ける。札幌の近くになると、交通量と信号が増えてくるので、思うように進まない。まぁそういっても仕方が無いので、ちょこちょこと止まりながら、札幌の市内を流す。写真などで見たことのある時計台なんかも、夜見るのとはまた違った印象だが、いちいちカブを止めて写真をとるのも面倒だったので、そのままパス。とりあえず小樽に行って海産物でも食ってやろうと思い、定山渓を経由して小樽に抜ける道道1号をチョイス。道道1号への分岐のちょい手前の道路情報の電光掲示板で、何と通行止めになっているとの情報が・・・そこから引き返して、札幌市内を迂回するルートを通ったのだが、かなりの時間をロスしてしまった。

 そんなこんなでたどり着いた小樽では、駅前の三角市場という海産物などを扱う市場内の食堂で、イクラ丼を食べてみた。新物のイクラを自家製醤油で漬け込んだお味はなかなか良かった。小樽市街はフェリーの待ち時間に訪れるつもりだったので、進路を西へ取り余市へ向かうことに。とその時、昨夜ヘラブナ公園でキャンプしていた人とバッタリ遭遇。こんな感じで一度別れた旅人と出会うことが結構あったりする。

 渋滞している国道5号で余市へ向かう途中、何やら雲行きが怪しくなってきた・・・一昨日、昨日と雨にやられているので、今日は早めにレインカバーを装着。で、雨が一滴二滴振り出した瞬間に歩道に入り、木の下でレインスーツを着込もうとすると、一瞬で土砂降りに。木の下だったので、ほとんど濡れずに済んだが、ホント間一髪というところ。雨に降られたのは、そこから余市までの数キロだったが、かなり激しい降りだったので全身びしょ濡れ。昨日同様、短時間の降りだったのは幸運と言ったところかな。

ニッカウヰスキー で、余市では前に訪れたときには見学時間が終わっていた、ニッカウヰスキーの工場見学をしてみた。駐車場で出会ったドカに乗っているおじさん(今夜小樽発の同じフェリーで帰る人だった)と一緒に、ガイドさんによる見学ツアーに参加してみたが、まぁまぁよかったかな。展示も色々あって、香りを楽しんだり、無料で試飲まである。今回は試飲は出来なかったが、次回はこの近くのキャンプ場で泊まって、歩いて来ることを固く心に誓った(笑)
また、ここでは記念撮影が出来るポイントにあらかじめ三脚がセットされていて、カメラを置いてセルフタイマーをセットするだけで、撮影できるというなかなか粋なサービスがあった(ロールオーバーイメージ)。

 広い敷地の中に、色々な展示があって、結構な量の試飲が出来るのに、全て無料ってのはなかなか熱いスポットかな。ここではお土産に余市工場でしか買えない10年ものの原酒(なんとアルコール度数は60度)の小ビンと、樽型の木箱に入ったお菓子を購入。最終日は荷物が増えることをあまり気にしなくてもいいので、つい色々と買ってしまいがちだ^^;

 結構長く見学していたこともあり時間も5時を回ったこともあり、小樽のフェリー乗り場へ。乗船手続きを済ませたら、余市で会ったドカのおじさんと一緒に徒歩で小樽の町へ。フェリー乗り場から市街地へはそれ程遠くないので、バイクを置いて人間だけで歩いていくのがオススメ。とりあえずは、お土産を物色しいくつか購入。こういうのは最後に買わないと荷物になるからね。

小樽 ちなみに、ここ小樽は北海道内でも観光客が非常に多い場所のひとつだったりする。その理由のひとつが画像のライトアップされた小樽運河だろう。レトロな街灯と、ライトアップされた煉瓦造りの建物がなかなかいい雰囲気だった。

 最終日の夕食は、北海道の名物(?)とも言えるかもしれない回転寿司。北海道は新鮮な魚介類が手に入りやすく、回転寿司のクオリティはかなり高い。土曜日なので待ち時間が結構長かったりもしたが、新鮮な生サンマのにぎりや、時鮭の筋子、炙りサーモンや三平汁(すまし汁に魚のあら、じゃがいもやにんじん、ネギなどが入ったものだった)、その他もろもろお腹いっぱい食べて満腹に。ホント、今回の北海道旅は美味いものをたくさん食べられた気がするな。

 フェリー乗り場に戻ってくると、凄まじい数のバイクが(ロールオーバーイメージ)!今日は乗客が一番多い日のようで、係員の人曰くバイクだけで150台もあるそうな。行きのフェリーは15台くらいだったので、その数10倍。

 これだけたくさんのバイクがあるが、みんなこの北海道で、それぞれの旅をしてきたのだろうと思うと、旅にはやはり魅力があるのだなぁと思う。フェリーに乗り込むまでの間ライダー何人かと話をしてみたが、短い日数でひたすら走ったという人もいれば、長い日数で各所を巡ったという人も。旅の楽しみ方は人それぞれだが、みんな一様に満足そうな顔をしていたのが印象的だった。

 午後10時には乗船開始。バイクが最初にで乗り込んだということもあって、行きと同じくコンセント横のS席をGET。荷物を置いたらビールを片手に外を眺める。船は定刻通り23時30分に出港し、光に照らされた小樽の町を後にする。多くの旅人達が帰路に着いた瞬間だった。 

08/16 晴れ 行き交う船と 兵庫県川西市/自宅/95.1km

新日本海フェリー 昨日はぐっすり眠った。というより、毎日良く寝ている気がするけど。寝ているオレを乗せたまま、船はどんどん南へ向かっていく。天気は快晴。小樽から舞鶴へほぼ直線で進んでいくので、見渡す限りの水平線。途中、舞鶴から小樽へ向かう姉妹船とすれ違うシーンがあったので、カメラを片手に甲板へ出てみた。行き交う船にも、多くの旅人が乗っていることだろう。これから北の大地を走るという、ワクワク感でいっぱいのライダーもきっと居ることだろう。しっかり楽しんで、最後には満足感とともに帰ってこられるような旅になればいいなと心から思う。

 旅の最後に長距離フェリーに乗るというのは、なかなか良かったりする。今回の旅はどうだったかな?という自分への問いかけに、時間を掛けて考えることが出来る。旅をしている最中は、こういう時間はなかなか無いし、家に帰ってしまうと現実に追われ、そんな余裕もなくなってしまいがちだ。この旅と日常をつなぐ時間の中で、沈み行く夕日と果てしない水平線を眺めながらぼんやりするのも悪くない。そう思った。(ロールオーバーイメージ)

 フェリーは小樽港に入港し、そこから多くの旅人達はそれぞれの道を走り出すのであった。またいつかどこかで出会えることを夢見て・・・

(完)

旅を終えて

 今回の北海道一周編はいかがでしたのでしょうか?まず第一印象としては、やっぱり北海道は広い!ということです。今回は北海道の「広さ」を感じたかったというのもあって、「一周」ということを目標にしていました。とは言え、ちょこっとショートカットしたり、内陸部に入ったりもしましたが、ほぼ一周したと言ってもいいかなぁと自分では思っています。そのため、道内での走行距離は4677.3kmにもなってしまいました。現地で16泊という結構長めの旅だったこともありますが、ちょっと走りすぎたなぁというところは正直否めません(笑)

 北海道の道は大変走りやすく、ひとたび走り出すと何処までも走りたくなるような魅力があります。今回特に印象に残っているのは、夕暮れの中を宗谷岬へ向かう日本海オロロンライン。まわりに家も車も電柱も無い、ただひたすらに続く道は、走っていて涙が出るほどに爽快でまた感動的でした。北海道へ何度も訪れるライダー達は、このような北海道にしかない道に惹かれているのかもしれません。

 もちろん旅の魅力は道だけではなく、人との出会いもまたひとつの楽しみです。今回も多くの旅人とも出会いましたが、みんなそれぞれの旅に対する思いを胸に、自分の旅をしているというのが印象的でした。そういう旅人と出会うと、次はどういう旅にしようかなぁという思いが溢れてきます。

 次に北海道に来るのはいつになるかはわかりませんが、次回は内陸部を中心に巡りたいと思います。片道15kmのダートの先にある秘湯なんかも行ってみたい場所のひとつですね。それではみなさん、また次の旅でお会いしましょう。ごきげんよう!

後日談

 今回の北海道旅から帰ると、登山&キャンプ用品などを扱うIBS石井スポーツから案内ハガキが届いていました。IBS石井スポーツは、ヨーロッパ一周の前に各種装備を買い揃えるときに、福岡店でかなりお世話になったこともあり、梅田店でも時々買い物をしていました。ハガキによると、全ての店舗が閉店してしまうそうで、最後のセールの案内でした・・・他にも似たような商品を扱う店は少なくは無いのですが、結構思い入れが強かった店でもあったので、とても残念です。

 そんな思いを胸に、最後のセールで今回の北海道で浸水してきたゴアテックスのレインスーツを買い換えました。これも10年近く使っているものなので、ぶっちゃけもう限界を超えているといってもいいでしょう。旅の途中で潰れたマットにしてもそうですが、ヨーロッパ一周前から使っている各種の装備品はそろそろ交換時期になってきたようです。他には、ガスランタンもうまく燃焼しなくなってきたので、テント内でも安心して使えるLEDのランタンへの買い替えも検討中です。他には、振り分けバックのプラスチックの部品が一部割れてしまったので、これも使いつづけるのはちょっと危ない状況になってたりします・・・振り分けバッグは、ちょうど良いものがなかなか無いので困っていますが、何とか理想形に近いものを考えたいと思っています。

 装備品に関しては、今回デジカメをレンズ交換式の一眼レフ(OLYMPUS E-520)に変更しました。レンズは高倍率ズーム(LEICA D VARIO-ELMAR 14-150mm[35mm換算で28-300mm])と、超広角ズーム(ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm[35mm換算で18-36mm])の2本をチョイス。高倍率ズームレンズの描写は大変気に入っていますが結構重くて、小型軽量のボディと相性がイマイチだったりしますが、やっぱりレンズが交換できるデジカメはコンパクトデジカメでは絶対撮れない画が撮れるので、持っていって正解でした。

 で、今回の旅の一番の問題はというと、もはや化石ともいっていい程に古くなったノートPC・・・2000年のモデルで、長時間駆動を最優先し、当時からそのパワーには不満があったものなので、はっきりこれはもう限界です。1000万画素で撮影した画像を処理するのに恐ろしく時間がかかってしまいます。画像をPCに取り込んでサムネイルを表示させるだけでもかなりの時間を費やしてしまうので、長時間持つはずのバッテリーも結構なペースで減っていくわけで、長年愛用してきましたがそろそろ引退といったところです。

 他にはカブのタイヤについて。交換したのはかなり前ですが、まだそこそこ溝が残っていたので北海道に行く間は大丈夫かなと思っていましたが、思っていたよりも磨耗し交換することになりました。次のタイヤはミシュランのM45をチョイス。以前と同じで、フロントは2.50-17、リアは2.75-17とリアだけ1サイズ太いものを選んでいます。北海道でタイヤを交換したと言う旅人と何人か出会ったのですが、北海道の道は結構タイヤが磨耗するようですね。

 それから最後に・・・随分と告知が遅れましたが、三樹書房からスーパーカブの発売50年を記念した本『スーパーカブ50(フィフティ)』が出版され、スーパーカブにゆかりのある(?)50人の対談記事が掲載されています。その中の1人としてTAKUも登場しており、ヨーロッパ一周の話が8ページに渡って掲載されています。興味のある人はチェックしてみてください。公式サイトは コチラ


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